28日から始まるNHKの連続テレビ小説「あさが来た」。波瑠が演じるヒロイン今井あさは、嫁ぎ先の両替屋を風流人の夫、新次郎(玉木宏)に代わって盛りたて思わぬ商才を発揮する。やがて、炭坑経営から、銀行、生命保険、学校まで、次々と事業を興して明治、大正を鮮やかに駆け抜ける。感性豊かな演技に注目が集まる波瑠が、あさの奮闘について語る。
ヒロイン今井あさ役の波瑠
-あさはアクティブですね。
あさちゃんはよくしゃべるんです。だからせりふの量が多くて。それに動きも大きいし、声も大きい。今まで経験したことのない役なので、すごくやりがいがあります。
-あさの一番好きなところとすごいと思うところは?
とても強いのに、突然乙女になるところ。仕事はとことん詰めていくのに、自分のこととなると鈍感なんです(笑)。旦那さまに対する思いもすごく乙女チックで、ギャップがあってかわいいと思います。一番すごいところは踏ん張る力、根性ですね。
-あさと姉のはつ(宮崎あおい)。波瑠さんはどちらに似ていますか?
あさちゃんかな。私って見た目はおしとやかに見えるらしいのですが、子どものころは男の子に交ざって遊ぶのが好きだったし、手先の器用さが求められることも苦手で、あさちゃんに通じるところがあると思います。
-あさは徐々に成長していきますね。
あかんたれだった女の子が嫁ぎ先のお父さまとかいろんな人との出会いを経て、大人になっていきます。でも子どものような視線や疑問を抱く心は忘れずに、大人の女性の柔らかい部分は身につけながら成長していると思います。私も現場に一番長くいるので、いろんなものが目に入りますし、スタッフの方の体調とかも結構見えてしまうんです。そんなところもあさちゃんが家の者を「みんなのお母ちゃん」という視線で見ているのと同じですよね。
-夫役の玉木さんの印象は?
すごく頼もしい先輩で、ちゃんと細かいところまで現場のことを見ていてくださるので、私はすごく自由にやれます。
-女性が外で働いて、夫が専業主夫のように家にいるという夫婦のあり方はどう思いますか。
いろんな夫婦があっていいし、お互いが心地良く支え合えれば、何の問題もないじゃないですか。私もお仕事は続けていくことを前提に結婚もしたい。バリバリ働いて、支えてもらえるような結婚がいいです。
-撮影の空き時間にはどんなことをして過ごしていますか。
私には空き時間がないんです(笑)。たまに空いているときは刺繍をしています。(宮崎)あおいさんがすごく上手ですてきだなと思っていたんですが、私はぶきっちょで。でもあおいさんがいるうちに教わっておこうと思いまして。女優としても朝ドラのヒロインとしても先輩なので、いろんなお話をします。あおいさんは「純情きらり」のころのことを「すごく幸せな時間でした」とおっしゃっていて、今は私をリラックスさせようとしてくれているのを感じます。2人とも口数が多い方ではないので、同じ空間にいながらお互い静かに刺繍をしていて、手芸部みたいな心地良い時間を過ごしています(笑)。
-波瑠さんが撮影現場でいろいろとサプライズを仕掛けているとか。
風船を膨らませて誰かの近くでパーンと割ったり(笑)。そういう子どもっぽいいたずらばかりしています。
-関西弁の勉強はどのように?
この役に決まるとすぐに、お琴や所作、そろばんのお稽古と大阪言葉や京言葉の勉強が始まりました。本当に英会話の教室のように、台本を開いてイントネーションの確認をして、先生が吹き込んだ音源を聴いています。今も早めに現場に入って、方言の授業を受けています。
-「びっくりぽん」という言葉があさちゃんの口癖として頻繁に出てきますね。
かわいい言葉です。あさちゃんは何でもすごく楽しんで、どんな人の中にも入っていってしまう。人としての柔軟な部分が表れているいいせりふだなと思います。
-ドラマが終わるころにはデビュー10周年ですね。
そうですね、朝ドラのヒロインというとても望んでいたステージに立たせていただいていますが、撮影や放送が終わった時がゴールではないですし、次にくるお仕事にもちゃんと丁寧に向き合い、また仕事がしたいと思ってもらえることが目標です。