【2.5次元リポート】ミュージカル「刀剣乱舞」 最新作がいざなう新たな展開、重厚な物語が胸に突き刺さる

2018年3月26日 / 16:06

 名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”を収集・育成する大人気PCブラウザ・スマホアプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案としたミュージカル「刀剣乱舞」(以下、刀ミュ)。2015年秋のトライアル公演後、瞬く間に人気が爆発。次々と新作を上演し続ける一方、音楽活動や大規模ライブ、海外公演を行い、多岐にわたる盛り上がりを見せている。3月24日には、新作公演となるミュージカル「刀剣乱舞」~結びの響、始まりの音~が開幕した。

本作に登場した6振りの刀剣男士

 シリーズ5作目となる本作は、2作目の「幕末天狼傳」で描かれた近藤勇、沖田総司亡き後の時代に刀剣男士たちが出陣する。編成は、「幕末天狼傳」の大和守安定(鳥越裕貴)、和泉守兼定(有澤樟太郎)、堀川国広(阪本奨悟)、長曽袮虎徹(伊万里有)の4振りに、新たに陸奥守吉行(田村心)と巴形薙刀(丘山晴己)を加えた6振り。新撰組に由縁の深い刀剣男士を中心に、失意の中、生き方を模索しながら新政府軍と戦う土方歳三の元に向かう。

 開幕前に行われた囲み取材で、トライアル公演から全公演で演出を担当している茅野イサムは、本作について「ここまで踏み込んじゃうの?って驚いていただけると思います」と明かし、伊万里は「刀ミュ史上類を見ない革命が起きている」と話したが、その言葉通り、まさに「衝撃作」であると言える。詳細は避けるが、前作「つはものどもがゆめのあと」とはまた別の方向性で、作品の根幹に関わる“こと”に言及し、新たな解釈で物語が展開する。これだけでも、刀ミュクラスタ、とうらぶクラスタには見逃せない作品で、今後のシリーズの展開において、大きな転機ともなる作品だと言えるだろう。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

森下佳子「写楽複数人説は、最初から決めていました」脚本家が明かす制作秘話【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。これまで、いくどとなく視聴者を驚かせてきたが、第4 … 続きを読む

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

Willfriends

page top