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続いては、マーベルシリーズの新作『ヴェノム』。
舞台はサンフランシスコ。正義感の強いジャーナリストのエディ(トム・ハーディ)は、人体実験のうわさがあるライフ財団への取材に失敗。仕事も恋人(ミシェル・ウィリアムズ)も失い、半ばやけになって財団の研究施設に潜入する。
ところがそこで、被験者となった知り合いのホームレスと接触したため、エディの体に“何か”が寄生する。やがて宇宙からやってきた“何か=ヴェノム(毒)”とエディは一つになり、共生し始める。
凶悪なルックスとキャラクターを持った悪役的なダークヒーローが登場。マーベルシリーズの常だが、後につながるさまざまな種をまく“誕生編”がやはり一番面白いのではないか。特に本作では、ハーディが善悪のはざまで揺れるエディ役を好演している。
監督は『ゾンビランド』(09)、『ピザボーイ 史上最凶のご注文』(11)と、コメディー映画を手掛けたルーベン・フライシャー。そのせいか、本作も全体的にはグロテスクなのに笑えるところが多々あるし、エディとヴェノムによる“バディ(相棒)ムービー”として見ても面白い。(田中雄二)