【芸能コラム】深田恭子&松山ケンイチ さまざまな問題を程よい口当たりで描く配役の妙 「隣の家族は青く見える」

2018年2月12日 / 13:24

 その狙いが端的に表れているのが、絶妙な配役と、それぞれの役を演じる俳優たちの好演だ。深田と松山が演じる五十嵐夫妻を例に取れば、妻・奈々は、楽天的でのんびりした夫・大器に励まされつつ妊活に取り組み、時にその無頓着さを怒ってみせる。

 だが、おっとりとした深田と、三枚目的な松山の芝居が醸し出す空気感は、深刻な場面も温かな雰囲気で包み込み、嫌な印象を与えない。それは、同性カップルの広瀬渉(眞島秀和)と青木朔(北村匠海)も同様で、ゲイであることを隠そうとして悩む渉の深刻さを、オープンな朔の屈託のない表情が和らげている。

 この配役が生きた好例が、2月1日に放送された第4話のクライマックスとなる住民会議の場面。渉と朔が同性愛者であることが明らかになったことから、予定していた小宮山深雪(真飛聖)の娘の誕生パーティーは中止され、その件に関する話し合いが開かれる。

 同性愛者を受け入れられず、怒りを爆発させる深雪に対して、「人は誰でも自分が望む幸せを手に入れる権利がある」と正論をぶつける奈々。これで重くなった場の空気を一変させたのが朔。突然、後ろから大器に抱き付いたのだ。「奈々の言葉に感動して、奈々の代わりに大器を抱きしめた」と語る朔の無邪気な行動で空気が和み、その場は一段落する。

 簡単に答えの出ない問題だが、かといって重苦しい空気を引きずったままでは終われない。難しいクライマックスを、屈託のない朔と穏やかな大器のキャラクターを生かして締めくくった鮮やかな一幕だった。そんな絶妙なバランス感覚で数々の問題と向き合う本作が、最終的にどのような結末にたどり着くのか。今後の展開に注目していきたい。(井上健一)

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