「どうする家康」第24回「築山へ集え!」物語の期待感を高める武田勝頼の堂々たる生きざま【大河ドラマコラム】

2023年7月1日 / 08:21

 長い間、「武田家を滅ぼした愚将」として評価の低かった勝頼だが、本作では眞栄田の力強い演技が従来のマイナスイメージを覆し、物語に対する期待感を高めていることも大きい。設楽原の戦いの際、兵たちを鼓舞した自信満々な演説に、「ひょっとしたら、勝つのでは?」という考えが一瞬頭をよぎったのは、筆者だけではないだろう。

 結果的に織田の鉄砲隊に大敗を喫した際も、想像を絶するほどの敗北感と悔しさをにじませながらも、一言も発することなく、大将としての威厳を保った姿は強く印象に残った。

 もちろん、歴史をひも解けば勝頼が悲劇的な運命をたどることは明らかだ。だが、その堂々たる生きざまは、最後の最後まで予断を許さない期待感に満ちあふれている。眞栄田=勝頼が今後どんな活躍を見せてくれるのか。まだまだ目が離せない。

(井上健一)

瀬名役の有村架純 (C)NHK

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