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その一方、佐藤は「NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編」(NHK出版)掲載のインタビューで、広常について、「ふだんは豪放で荒々しい広常ですが、繊細さも持ち合わせている」とも語っており、思った以上に複雑な人物である様子がうかがえる。
さらに史実をひも解いてみると、広常はこの先、味方でありながらも、頼朝とは次第に微妙な関係になっていくことが予想される。初対面の直後、頼朝が安達盛長(野添義弘)に漏らした「顔が怖いんだよ」という一言は、脚本・三谷幸喜らしい、ユーモアに彩られたさりげない伏線だといえるもかもしれない。
そんな広常が、これから物語をどんなふうにかき回し、義時とどうかかわり、どんな影響を及ぼしていくのか。
頼朝の弟・源義経(菅田将暉)もついに動き出し、ますます本格化していく源平合戦。その行方はもちろんのこと、広常の活躍、そしてそれを表現する佐藤の芝居と、ドラマにまた新たな見どころが加わった第7回だった。
(井上健一)