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前回、代官の冷淡な態度に武家社会の理不尽さを思い知った栄一は、この回の冒頭で「承服できん!」と憤っていた。「強く見える者ほど弱き者」という一言が、そんな栄一に新たな道を示すことになるのかもしれない。
演じる吉沢自身も当サイトのインタビューで「栄一の人間味を感じたエピソード」として、修験者を追い返す場面を上げており、これが今後、栄一の行動にどう影響してくるのか、注目したい。
また、今回は、津波や大地震、疫病のまん延など、災害が続く様子も描かれ、現代と重なる部分も多かった。大森は番組公式サイトのインタビューで「『日本が』『幕府が』『他国が』と、どの環境にいる人もそれぞれ悩みながらぐるぐるして、うまく突破口を見付けられない混沌(こんとん)としたところが今の時代と重なる気がします」と語っている。
まさに「人は一面ではございません」は、今を生きる私たちにとっても、いろいろな意味で示唆に富む言葉だったように思う。(井上健一)