【大河ドラマコラム】「麒麟がくる」 第三十六回「訣別(けつべつ)」光秀と正親町天皇の対話が意味するもの

2020年12月16日 / 10:47

 その意味では、光秀が帝と言葉を交わしたくだりは重要だ。第三十回で信長が初めて帝に拝謁した場面では、その描写がなかったからだ(御所から戻った信長が、光秀に「帝がこうおっしゃった」と語るのみ)。この差は、帝から見た光秀と信長の存在感の違いを象徴しているように思える。それが、物語にどんな影響を及ぼすことになるのか。

 これまでは、義昭と信長の間で活躍する光秀が描かれてきたが、これからは光秀、信長、帝の関係を軸に物語が展開するのではないか…? そんなことを予感させる回だった。既に、正親町天皇の嫡男・誠仁親王を加藤清史郎が演じることも発表されており、さらに見逃せない展開が続きそうだ。(井上健一)

(左から)明智光秀役の長谷川博己、三淵藤英役の谷原章介、足利義昭役の滝藤賢一

 

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