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その意味では、光秀が帝と言葉を交わしたくだりは重要だ。第三十回で信長が初めて帝に拝謁した場面では、その描写がなかったからだ(御所から戻った信長が、光秀に「帝がこうおっしゃった」と語るのみ)。この差は、帝から見た光秀と信長の存在感の違いを象徴しているように思える。それが、物語にどんな影響を及ぼすことになるのか。
これまでは、義昭と信長の間で活躍する光秀が描かれてきたが、これからは光秀、信長、帝の関係を軸に物語が展開するのではないか…? そんなことを予感させる回だった。既に、正親町天皇の嫡男・誠仁親王を加藤清史郎が演じることも発表されており、さらに見逃せない展開が続きそうだ。(井上健一)