【芸能コラム】オリンピックに挑む熱血ドラマだけではない物語の魅力 「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」

2019年5月1日 / 17:00

 放送開始前のインタビューでも、「戦前・戦後の日本の歴史を描く中で、戦争自体を過剰に重く描かずにドラマを作りたい。そのために、古今亭志ん生をナビゲーターにした」という主旨の発言をしている。落語の役割はこれからますます重要になってくるはずだ。

 なお、落語パートとオリンピックのパートは一見、無関係に見えるが、随所につながりを感じさせる描写が織り込まれている。例えば、第15回では美濃部孝蔵(後の古今亭志ん生/森山未來)が、浜名湖で水泳の練習に励む少年たちに出会っているし、第3回では志ん生の弟子・五りん(神木隆之介)が、四三と同じ冷水浴を行う場面があった。それらの伏線が、どのように物語を動かしていくのか。今後が楽しみだ。

 放送開始から4カ月が経過した大河ドラマ「いだてん」。その内容が斬新すぎるためか、視聴率的には苦戦が伝えられるものの、大河ドラマらしい俳優陣の充実した演技を含め、見どころの多い作品となっている。先日、第2部・田畑政治篇の新たな出演者も発表になり、斎藤工や上白石萌歌など、魅力的な顔ぶれがそろった。物語も次第に、私たちが知る昭和の時代に向かっていく。これまで敬遠してきた人も、これを機に見てみてはいかがだろうか。(井上健一)

後輩たちと練習に励む四三(中村勘九郎)

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