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役者であれば撮影に入る前に役作りをするのは当たり前。最近は、ロバート・デ・ニーロに倣った“デ・ニーロ・アプローチ”も浸透し、尋常ではない徹底した“役作り”に励む俳優が増えている。中でも分かりやすい変貌は肉体改造によるものだ。
現在公開中の歴史エンターテインメント映画『キングダム』では、大沢たかおが約15キロも増量したマッチョボディーで、原作では身長225センチもある偉大な将軍・王騎役を堂々と演じ、SNSでは「ハマリ役」「再現度高い」「王騎がいたよ」などと絶賛の声が上がっている。しかし、まさか大沢がこのような変身を遂げようとは…。
1987年に19歳でデビューした大沢は、反町隆史、竹野内豊、東出昌大、坂口健太郎、成田凌などを輩出した男性ファッション誌『MEN’S NON‐NO』にも登場するモデルだった。後に役者に転向し、ドラマ「星の金貨」(95)でヒロインの恋人役を演じてブレーク。
ドラマ「JIN-仁-」(09)での医者としての使命に燃える“南方先生”は大沢を代表する役となり、以降もモデル時代からほぼ変わらない細身のスタイル、優しいまなざしとさわやかな笑顔で人気を博していた。ところが今回、51歳にして過去のイメージを一気に吹き飛ばす筋肉隆々の肉体派にさま変わり。トレーニングにハマると抜けられない人もいるようで、大沢の行く末が気になる…。
激しいトレーニングにどっぷりハマり、“アクション俳優”の仲間入りをしたのは岡田准一。言わずと知れたアイドルグループ・V6のメンバーだが、はちきれんばかりの肉体はもはやアイドルの枠に収まり切れていない。ドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」(07)のSP役をきっかけに肉体改造し、カリ、ジークンドーなどさまざまな武術を習得した岡田は、作品を問わず、アクションシーンには自ら果敢に挑んでいる。
6月21日公開予定の映画『ザ・ファブル』でも、随所でたくましい裸体をさらけ出し、パルクール(道具を用いずに障害物を乗り越えたり、素早く移動したりするスポーツ)もスタントなしで披露している。役者としても、男としても、脂が乗った38歳。見事なボディーとアクションを見せ続けてほしい。
木村拓哉の主演ドラマ「あすなろ白書」(93)での同性愛者役で注目を集めた西島秀俊が変わり始めたのは、NHK大河ドラマ「八重の桜」(13)から。それまでは、役柄的にも好青年や影のある役が多く、線の細いイメージだったが、同作で綾瀬はるか演じる主人公の兄・山本覚馬役を演じ、想像からかけ離れたムキムキボディーを公開すると世間は騒然。
以降は、高い身体能力も駆使して、「MOZU」シリーズ(14~15)、ドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(17)、など、数々の映画やドラマでアクションを披露し、40代に入って“肉体派”の新境地を開いた。現在48歳だが、今年もスペシャルドラマ「名探偵・明智小五郎」で派手なアクションシーンに挑戦。その体は衰えを知らない。