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「最初は想像がつかない世界だった」と語った栗山千明
藤本ハルキの自伝漫画「BL漫画家ですけど結婚してもいいですか?」を実写化したスペシャルドラマ「でも、結婚したいっ!~BL漫画家のこじらせ婚活記~」が、カンテレ・フジテレビ系で4月4日に放送される。34歳独身、男性との接し方もすっかり忘れてしまうなどこじらせてしまったBL(ボーイズラブ)漫画家の藤田ハルコが、アシスタントのアドバイスで婚活に挑む姿をコミカルに描いた内容だ。
藤田ハルコを演じ、大の漫画&アニメ好きとして知られている女優の栗山千明が、憧れだったという腐女子を演じた感想や結婚観を語った。
漫画は大好きですが、最初はBL漫画家さんの私生活が想像つかなかったです。でも、読むととてもかわいらしく描かれていたので、皆さんに愛着を持っていただけるように演じられたらと思いました。
監督の演出もあり、頑張る姿が健気で人見知りなハルコが一歩ずつ殻を破っていく姿に共感していただけたらいいなと思います。
役作りでペン入れのやり方をご指導いただいたり間近で見させていただいたりして、私の思い描いている漫画家像を作ることができたのはうれしかったです。女性としても、アラサーで仕事を頑張るあまりどこか恋愛をおろそかにしがちなところは当てはまる方もいるのではないかと思いますので、そういう部分も共感していただけたらうれしいです。
近年腐女子要素の入った作品も普通にありますが、BLに特化した漫画はいままで見たことがなかったので、禁断の扉を開けてしまった感じがしました(笑) 。でも、心温まる話や心通わせる描写は普通のラブストーリーと同じで、それがただ男性同士ということだと思っています。
特に腐女子だからこうという服装があるわけではなかったので、スタッフの方とどういう衣装がハルコらしいか試行錯誤しました。あとは人見知りでシャイなハルコが少しずつ殻を破っていく過程が描かれているので、最初は猫背で自信なさそうにしつつ、徐々に人の目を見てしゃべるように意識しました。監督も段階的に「いま恋愛偏差値いくつ」と基準を付けていましたね。
う~ん、たくさんあると思いますけど、自分だと気づきにくいです(笑)。でも、アニメや声優さんが大好きなので、聞いてくださると冗舌にしゃべってしまって、我に返ると相手を置いてきぼりにしてしまったことはあります(笑)
──20代前半のころ、腐女子の聖地とも言われる「乙女ロード」に行ったことがあるそうですが当時、新しく開拓しようと友だちと行って衝撃を受けました。BLがどの程度なのか知らずに飛び込んだので、最初は「こんなことまで描かれているの!?」と驚きました。
ハルコにとっては自分の人生そのものですが、そうでない方は当時私が思ったようなリアクションをされると思ったので、そういうところはイメージしやすかったです。
当時はちょっと見では分からなくて、ちっちゃい本屋さんが点々と並んでいる感じでしたけど、いまは盛り上がっていましたね。カットがかかるまで歩きながら「こんなお店あるんだ! もっとぐるぐる周ってみたい!」と思っていました。
興味という意味では合コンや結婚相談所です。ダーツとかは友だちともできますが、そうではなくて勇気を持って結婚相手を求めて出会う感覚は演じていても緊張感がありました。実際どんな感じなのだろうと気になります。そういう形で知り合って少しずつ距離を縮めていくと、かわいらしいしカップルになるのではないかな。
私は結婚に焦る気持ちはなかったので、そういう気持ちを持つこともあると気づきました。ハルコは体の不調やいろいろなことが重なって結婚について考えるようになりますので、いつか自分もそう思うときが来るのかなと。でも私に、人と一緒に生活をすることができるのだろうかという思いもあります。
ハルコのように殻に閉じこもってしまうのとは違いますが、なかなか人に頼みごとをしたり打ち明けるタイプではないかもしれないです。
たぶん猫みたいな人です…。いい距離感でお互いに好きなことや時間を持ちつつ、家ではゆっくり過ごすような。そういう方のほうが自分と生活リズムが合うと思います。仕事で日々スケジュール通りに動いている分、プライベートでは逆に何も考えずに過ごしたいです。おなかがすいたらふらっと食べに行ったり気ままに生活できる時間が至福なので、マイペースな性格なのかな。
笑ってほろっとして、いろんなハルコを通して頑張る気持ちや一歩踏み出す勇気を感じていただけるのではないかと思います。女性だけでなく男性の方にも共感していただけたらと思いますので、難しいことは言わずに楽しんでください。
(取材・文・写真/中村好伸)

婚活に悩む、売れっ子BL漫画家
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