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シリアルキラーの恐怖に包まれた街を舞台に、とある男女の出会いが予測不能な展開へと突き進んでいく様子を、時系列を巧みに交錯させた全6章の構成で描いたスリラー映画『ストレンジ・ダーリン』が7月11日から全国公開される。米映画批評サイトのロッテントマトで高評価を獲得し、作家のスティーブン・キングが「巧妙な傑作」と絶賛した本作のJT・モルナー監督に話を聞いた。
JT・モルナー監督
5歳ぐらいの頃から、紙をホチキスで止めて、そこに自分で絵を描いて物語を作っていました。でもそれが全部、誰かが殺されるようなホラーでした(笑)。とはいえ、自分自身は虫も殺せないタイプで、菜食主義者で平和主義者だし、誰かを傷つけるなんてもってのほかだと思っているし、人に対する思いやりもすごく持っていると自負しています。ところが自分の脳は、フィクションを描くとなると、なぜか居心地の悪いところに行ってしまうんです。それはエモーショナルな葛藤をはらんだ物語にとても引かれるからだと思います。強烈な、ダークなものを表現した本を読んだり映画を見ると何か得るものがあるし、自分がその体験をしなくてよかったという気持ちにもなりますよね。ストーリーに関しては、とにかく自然に降りてくる感じです。頭の中に常にいろんなアイデアが浮かんできて、中には何物にもならないものもありますが、自分はそういうタイプです。
長年一緒に仕事をしているクリストファー・ロビン・ベルという編集者が、僕が撮った映像のニュアンスをくんでくれて、それをさらに高めてくれていますが、この映画に関しては、完成した映画の時系列のままに僕の頭の中に降りてきました。普段は結末が分からない状態では脚本は書き始めないのですが、今回は頭の中に浮かんだ時系列のままを脚本にしました。最初から時系列をバラバラにしようと考えていたわけではなくて、頭の中に降りてきた順番がそうだったというだけの話です。監督によっては、たくさん撮った映像を編集者のところにそのまま持っていって、編集室で物語を探す人もいますが、僕は自分が何を作りたいのかがはっきり見えていないとできないタイプです。クリスもそのことはよく分かっているので、脚本を渡した時も特にそれをいじろうとはしませんでした。ただスタジオ側が、これでは観客が分からないんじゃないかと、勝手に時系列の順番通りに編集をしてモニター試写に回したのですが不評だったそうです(笑)。
その通りです。僕もそう思います(笑)。
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