浜辺美波「池松壮亮さんから様々な刺激をいただいています」大河ドラマ初出演で豊臣秀吉の妻・寧々を好演【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

2026年4月11日 / 12:00

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄の秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの奇跡を描く物語は快調に進行中だ。本作で、藤吉郎の妻・寧々を演じているのが、連続テレビ小説「らんまん」(23)でも主人公の妻を好演した浜辺美波。大河ドラマ初出演となる本作をここまで経験して感じたことを語ってくれた。

(C)NHK

-大河ドラマの撮影は長丁場となりますが、ここまで寧々を演じてきて、どのような変化を感じていますか。

 藤吉郎や家族への愛が徐々に深まってきたことを実感しています。木下家の家族と一緒のシーンが多いので、寧々自身の両親と同じくらいか、それ以上に藤吉郎の母・なか(坂井真紀)や姉のとも(宮澤エマ)、妹のあさひ(倉沢杏菜)のことを大切に思うようになってきて。その一方で、藤吉郎がどれだけ出世しても、傍で見守り、一番の味方でいたいという気持ちは最初の頃から変わりません。むしろ、ますます強くなっているくらいです。

-そんな寧々の夫・藤吉郎の魅力をどのように感じていますか。

 本当に、唯一無二の魅力を持つ人だなと。生命力にあふれ、憎めない人柄であらゆる人を虜にし、誰もがいつの間にか手の平の上で転がされてしまう。寧々も賢くて生命力のある人ですが、藤吉郎の方が一枚上手です。ただし、女好きなのが玉に瑕で、これまで何度、嫉妬させられてきたことか(苦笑)。とはいえ、今後は藤吉郎が天下人へと昇り詰めていく中、様々な経験を積むことで寧々の器も大きくなり、そんな藤吉郎を大きな愛で包んでいけたら…と思っています。でも、最後まで嫉妬しているかもしれませんね(笑)。どうなっていくのか、私も楽しみです。

-そんな2人ですが、第13回で「小一郎が、織田を仇と憎む妻の慶に殺されるのでは?」と心配し、一緒に小一郎と慶(吉岡里帆)のところに乗り込む場面は、演じるお二人の息もぴったりで、軽妙なやりとりが夫婦漫才のようでした。

 撮影全体を通じて、池松さんからお芝居のヒントをいただくことが多く、あのシーンも「2人が初めて一緒に戦うシーンだから、勢いよくコミカルにやりたい」というお話があり、2人でお芝居を調整した上で本番に臨みました。その直後、寧々が藤吉郎に向かって言う「私は、少し楽しゅうございました。初めてお前様と二人で戦った気がいたします」というセリフが私は大好きで。寧々は本当にうれしかったと思うんです。当時は、女性は支える立場に徹することが当たり前なのに、同等の立場で同じ方向を見て、同じ相手に挑むことができたわけですから。その思いは寧々の中に強く残るはずで、そういう小さなことの積み重ねが、きっと夫婦の絆を育んでいくのだろうなと感じました。

-第10回では、藤吉郎が寧々の耳掃除をするシーンもありました。一般的には、寧々が藤吉郎にするようなイメージがある中、今回は立場が逆で、本作の寧々と藤吉郎らしいシーンでした。

 実は脚本では、「寧々が藤吉郎の耳掃除をする」と書かれていたんです。でも、演出の渡辺(哲也)さんと池松さんが「逆の方が新鮮で面白いのでは」と話し合い、あの形になりました。完成した作品を見ると、確かに新鮮で2人の関係がよく表れているなと。それまで、この夫婦は不機嫌なシーンも多かったので、仲睦まじい姿を見せられたのもよかったです。

(C)NHK

-お話を伺っていると、池松さんからお芝居の刺激を受けることも多いようですね。

 現場への向き合い方やシーンの作り方など、池松さんからは様々な刺激をいただいています。ひとつひとつのシーンについて、どんなお芝居をしたらいいのか、どんな距離感や動きが効果的なのか、前後の回や他のシーンとのつながりを考慮し、作品全体を俯瞰した上でアイデアを出されるんです。演じているときの池松さんは、発声から何から普段のご本人とは全く違い、完璧に藤吉郎になりきっています。その分、精神的にも肉体的にも大変なはずなのに、そんなふうに広い視野を持ち、全力で作品に取り組まれる姿を間近で拝見し、本当にすごい方だなと。心から尊敬しています。

-その池松さんが演じる藤吉郎と仲野太賀さん演じる小一郎の兄弟の絆は、どのようにご覧になっていますか。

 堅い絆で結ばれていますよね。あれほどお互いを信頼し、支え合える関係は羨ましいです。池松さんも「兄弟でも殺し合うことがあった時代に、この二人の関係は素晴らしい」とおっしゃっていました。さすがの寧々も、あの兄弟の間に割って入ることはできません。純粋に応援したくなってしまう、私の中では殿堂入りの兄弟です。

-仲野太賀さんの座長ぶりについてはいかがでしょうか。

 本当にすてきな座長で、頭の中をのぞいてみたいと思うほどです。お芝居が素晴らしいのはもちろんのこと、作品を様々な視点からご覧になり、出し惜しみせず、高い熱量を持って作品に向き合われていて。さらに、仲野さんの温厚な優しい笑顔から、皆さんがパワーをいただきながら現場が進んでいる印象もあり、そういう方だからこそ、大河ドラマの主演を務められるんだろうなと。そんなふうに、仲野さんの姿からも日々多くのことを学んでいます。

-ところで、木下家のメンバーは女性が多いですが、現場の様子はいかがですか。

 女性陣は、現場に来るたびに劇中で時間が経っていることも多いので、どんな表情やテンションで臨めばいいのか、皆さんと一緒に温度調節しながら、ひとつひとつのシーンを作り上げています。

-本作には、宮澤エマさんや大東駿介(前田利家役)さんなど、浜辺さんが「らんまん」でご一緒された方も多数出演していますね。

 撮影の間隔が空くと、現場に来るたびに緊張してしまうのですが、「らんまん」で長期間ご一緒した皆さんの顔を見ると、ホッとして心がほぐれていく感覚があります。疲れたときも、お話をすると元気をいただけますし。中でもムードメーカーは、(あさひの夫・甚助役の)前原瑞樹さん。「最近何があった?」「休みに何をしていた?」と質問攻めに遭うことも多く、前原さんの私生活は皆さんに筒抜けです(笑)。コミュニケーション能力が高く、人の懐に飛び込むことも上手なので、小栗(旬/織田信長役)さんともあっという間に親しくなって。まるで“現代の秀吉”です(笑)。

-今後、藤吉郎は“豊臣秀吉”と名を変え、天下人へと昇り詰めていきますが、その正妻としての寧々を演じる意気込みをお聞かせください。

 物語が進むにつれ、寧々の暮らすセットが普通の屋敷から大きなお城へと変わっていくので、藤吉郎=秀吉が出世していることを実感します。同時に寧々の責任も大きくなり、守るものも増えていくので、それにふさわしい貫禄を身につけ、皆さんに愛情深い女性だと感じていただけるように演じられたらと。天下人・秀吉の正妻として、ときには辛い経験をしながらも、最後まで立ち続けた実際の寧々さんを1人の女性としても尊敬しているので、恥じることのないよう、しっかり努め上げたいと思います。

(取材・文/井上健一)

(C)NHK


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

佐野晶哉「祖母が泣いて喜んでくれました」 連続テレビ小説初出演への意気込み【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年4月11日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「風、薫る」。田中ひかるの著書『明治のナイチンゲール 大関和物語』を原案に、明治時代、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)という2人のナースの冒険物語 … 続きを読む

早乙女太一「“劇団朱雀”という新たなジャンルを作るような気持ちで」早乙女友貴「お祭りを楽しむような感覚で」豪華ゲストと共に3年ぶりの公演に挑む 劇団朱雀「OMIAKASHI」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月9日

 大衆演劇の伝統を大切にしつつ現代的な感性や表現を取り入れ、多くの観客を魅了してきた劇団朱雀。2代目座長・早乙女太一率いるこの一座が、2023年5月以来3年ぶりとなる公演「OMIAKASHI」に挑む。  二部構成で一部は芝居、二部は舞踊ショ … 続きを読む

岸井ゆきの「『死』をポジティブに捉えることで、人生を前向きに考えられる」患者の最期をみとる看護師役を通して芽生えた死生観「お別れホスピタル2」【インタビュー】

ドラマ2026年4月3日

 現代医療のセーフティーネットというべき療養病棟を舞台にした沖田×華のコミックを原作に、死を迎える人が最後に出会う人=看護師の目線で死と生を描いた「お別れホスピタル」。2024年に放送されたこのドラマの続編「お別れホスピタル2」が、4月4日 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第12回「小谷城の再会」豊臣兄弟の運命を左右する出会い【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年4月2日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。3月29日に放送された第12回「小谷城の … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(13)道真公左遷の地、太宰府天満宮で

舞台・ミュージカル2026年4月2日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。   ▼太宰府天満宮で神道 … 続きを読む

page top