【インタビュー】「2.5Dアワード」俳優部門受賞の岡宮来夢 ミュージカル『刀剣乱舞』出演が「役者人生の一つの礎に」

2022年3月25日 / 13:00

 一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会が、「公式メルマガ会員『2.5フレンズ』が選ぶ『2.5Dアワード』を開催し、3月25日にアワードの各部門の受賞結果が発表された。今回のアワードは、会員数が現在約20万人を超える「2.5フレンズ」会員による投票によって2021年に上演された2.5次元ミュージカルの中から「あなたの“最も心に残る”『作品』『俳優』『演出家』『脚本家』」を決定。作品部門はミュージカル『刀剣乱舞』 ~静かの海のパライソ~、俳優部門は岡宮来夢、演出家部門は茅野イサム、脚本家部門は伊藤栄之進が受賞した。昨年、鶴丸国永役でミュージカル『刀剣乱舞』 ~静かの海のパライソ~(以下、静かの海のパライソ)に出演し、「BANANA FISH」The Stageでは奥村英二役を演じた岡宮に、受賞の喜びや2.5次元ミュージカルへの思いなどを聞いた。

「2.5Dアワード」俳優部門を受賞した岡宮来夢

-受賞おめでとうございます! まずは、受賞した気持ちを。

 まだ実感は全くないですが、うれしい気持ちでいっぱいです。日頃から応援してくださっている皆さんに恩返しの一つがができたのかなと思います。作品部門では「静かの海のパライソ」も受賞することができ、改めてすてきな作品に出会わせていただけたことを光栄に思いますし、その作品を刀剣男士キャストの一人として背負わせていただけたことは役者人生の一つの礎(いしずえ)になっていると思います。

-岡宮さんにとって、2.5次元ミュージカルはどんな存在ですか。

 僕が初めて2.5次元ミュージカルに出演したのは、ミュージカル『刀剣乱舞』 ~葵咲本紀~だったのですが、僕にとっては原点に帰る場所です。ここが自分のフィールドだという実感も持っています。

-2.5次元ミュージカルの魅力とは具体的にどういったことだと思いますか。

 漫画やアニメ、ゲームの中の好きなキャラクターが、目の前に飛び出してくるというのは、それだけでインパクトがありますし、夢のような出来事だと思います。それがかなうのが、2.5次元ミュージカルです。それから、ただキャラクターに会えるということだけでなく、3次元の人間が演じることでまた原作とは違った見方ができるという魅力もあります。役者本人が持っている魅力が、演じているキャラクターと結びついたときに、新たな魅力が生まれて、それが3次元としての面白さにつながると思います。そうした2.5次元ミュージカルの魅力をもっともっとたくさんの人に知ってもらえたらうれしいです。

-作品部門を受賞した「静かの海のパライソ」での鶴丸国永は、大変な役どころだったと思います。公演を終えた今、同作に対してどんな思いがありますか。

 物語の内容は、すごくつらく苦しく悲しいものでしたが、演じれば演じるほど愛にあふれた作品だとも思いました。刀剣男士たちが自分たちの任務や責任のために戦いながら、葛藤し、それでも前を向いて立ち向かっていく姿は勇気にあふれていたと思います。そういった作品だからこそ、コロナ禍や大変な状況の今、頑張っている皆さんの心に届いたのではないかと思っています。

-ミュージカル『刀剣乱舞』(以下、刀ミュ)には、これまで(本公演には)「葵咲本紀」と「静かの海のパライソ」の2作に出演していますね。改めて、刀ミュの魅力はどこにあると感じていますか。

 1部がミュージカル、2部がライブと分かれている構成によって、キャラクターの違った魅力が見えてくるのが面白いところだと思います。そうした構成だからこそ、お芝居も歌も殺陣もダンスもある盛りだくさんの内容です。稽古期間は本当に大変ですが、エンターテインメントとして楽しめる作品になっていると思います。それから、日本独自の、日本発のミュージカルなので、これからもっと日本を代表する作品になっていくと思います。今回の受賞で、改めてたくさんの方に応援していただいているシリーズだと実感しましたし、責任を持って頑張りたいと思います。

-刀ミュは、作品を重ねるごとに、より重厚な物語になり、クオリティーの高い作品になっていると観客の一人としても感じています。

 見に来てくださった皆さんからたくさんの反響をいただいて、僕もうれしく思っています。「静かの海のパライソ」は、やはり刀剣男士が自らの任務と向き合い、葛藤しながら戦う姿と、その時代に生きた人間たちの切ない運命が生々しく、それでいて美しく、皆さんの目に映ったのが新しかったのかなと思います。僕は(同作の演出の)茅野(イサム)さんから、2020年公演のときの稽古で、「これは伝説に残る作品になる」と言われて、そういうものを背負っているんだと自覚が芽生えました。それから1年半たち、2021年公演の際には、僕自身もさまざまな経験を積んだことで、当時とはまた違った台本の読み方ができるようになり、僕から茅野さんに「これはやっぱり伝説に残る作品になりますね」と伝えたんです。そうしたら、茅野さんからは「おまえが伝説に残る作品にするんだ」と言っていただきました。この作品に出会えたことに心から感謝したいです。

 
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