【インタビュー】ドラマ「半径5メートル」芳根京子「24歳でこの作品と出会って、人間として知るべきことに気付くことができた」

2021年5月7日 / 06:41

 芳根京子が主演するドラマ10「半径5メートル(NHK総合 毎週金曜午後10時~)」の放送が、4月30日にスタートした。本作は、週刊誌「女性ライフ」の編集者・前田風未香(芳根)が、芸能ゴシップを追い掛ける「一折(いちおり)」班から、生活情報などの「半径5メートル」以内にある身近な関心事を掘り下げる「二折(におり)」班に異動となり、そこで出会った名物ベテラン記者・宝子(永作博美)をメンター(師)として成長していく物語。本作でヒロインの若手編集者を演じた芳根に、ドラマの魅力や、永作とバディを組んだ感想、さらには自身の「半径5メートル」以内で気になっていることなどを聞いた。

前田風未香役の芳根京子

-まず、台本を初めて読んだときの感想から聞かせてください。

 「半径5メートル」という設定が、すごく絶妙で面白いなと思いました。風未香は主人公ですが、引っ張っていってくれるのは宝子さんなので、不思議な立ち位置だなと思いましたし、私自身も風未香のように、現場でいろいろなことを気付けたらいいなと思いました。

-週刊誌の編集者を演じる上で、どのように役作りをしましたか。

 コロナ禍なので実際に編集部に伺って見学することができなかったのですが、風未香という無知な人間が、宝子さんから一つずつ大事なことを教わりながら、成長していく物語になればいいなと思ったので、事前に役作りをするというよりも、現場で宝子さんの言葉を受けて、感じたことや生まれるものを大切にしています。

-風未香という女性の魅力は、どんなところだと感じますか。

 風未香はいい意味で“今ドキ”で、見えていなかったり、気付いていないことがたくさんある25歳の等身大の女性だなと思います。人として、ここを掘ると面倒くさいな、遠回りになるなと、ちょっと避けている部分を、宝子さんに「そこを掘りなよ、そこから始めなよ」と指摘されるので、宝子さんから言われたことに対して、面倒くさいなあとか、どういうことなんだろう? と素直に感じて出すことが、視聴者の方の目線にも近いのかなと思っています。

-芳根さん自身も、宝子から教わっていることはありますか。

 はい。私自身も、初めて感じるものの考え方や、たくさんの発見があって学ばせてもらっています。例えば、ニュースに関して、今まで自分が見ていたものは放送される側の人の考えだったり、表面の180度だけだったのだなと気付きました。今回の作品で、その裏側の360度の世界が見えた気がして、それは人間として知るべきことだなと思いました。視野が広がって、別の意見もあるんだなと受け入れることができますし、今24歳でこの作品と出会って、それに気付けたことが良かったなと感じています。

-週刊誌の編集者という職業について、どのような印象がありましたか。

 最初は、一つのスクープに向かって自分で戦いにいかなくちゃいけないんだろうな、締め切りの期限が厳しくて切羽詰まっているんだろうな、という勝手なイメージがあったのですが、風未香が配属になった二折班は、アットホームですてきな職場でした。役をやるに当たって、週刊誌を読む機会が増えたので、より身近に感じられるようになりましたし、巻頭だけでなく、中のページも隅々まで読むようになりました。

-宝子を演じる永作博美さんとコンビを組んだ感想はいかがですか。

 宝子さんは、すごく刺激をくれて、自分の視野を広げてくれる方です。宝子さんから言われる言葉はストレートではなくて、本当にヒントや切り口だけで、「あとは自分で考えて取材してこい」という感じなので、そういうふうに育ててくれる先輩っていいなあと思います。永作さんが「風未香が人生を振り返ったときに、自分の人生を変えてくれた人は絶対に宝子になるだろうな」とおっしゃっていたのですが、私自身もすごくいい方に出会えたなと感じています。

-撮影中に印象に残っているエピソードはありますか。

 撮影に入る前に、永作さんと毎熊克哉さんと3人で、こんにゃく作りをしたことはインパクトがありました。みんなでたくさんのこんにゃくを作って食べて、「この人の作ったこんにゃくは弾力が強めだね」という会話をしたりして、「なんだこのドラマは(笑)」と、モヤッとする感じがありました。劇中では、風未香も取材をしたいだけなのに、「私は今何でラブホテルでおでんを作っているんだろう?」という、モヤッとした気持ちになるので、この気持ちは風未香に通じるものがあるなと思いました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【週末映画コラム】『六人の嘘つきな大学生』/『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(11月22日公開)

映画2024年11月22日

『六人の嘘つきな大学生』(11月22日公開)  大手エンターテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考に残った6人の就活生への課題は「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨むこと」だった。  全員での内定獲得 … 続きを読む

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

Willfriends

page top