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若手実力派俳優の一人として注目を集め、映画・ドラマに引っ張りだこの仲野太賀。コメディーからシリアスものまで幅広いジャンルの作品で存在感を見せつけているが、この度挑戦するのは純愛映画。あまり経験がないというラブストーリーにどう挑むのか…? 昨年の改名にまつわる知られざるエピソードを、今後の展望とともに語ってくれた。
本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』で知られる宮下奈都の同名小説を基にした映画『静かな雨』。事故の後遺症により記憶が刻まれなくなったこよみ(衛藤美彩)と、彼女を支える行助(仲野)。一日一日を大切に生きる2人の心情を美しい映像とサウンドでみずみずしく描いた、切なくもいとおしい物語だ。
そう聞いて、ピンとくる人もいるだろうが、本作は2018年に公開された山田孝之と長澤まさみのダブル主演映画『50回目のファーストキス』と“記憶障害のヒロインをめぐる恋物語”というモチーフが同じ。仲野は目覚めるたびに記憶がリセットされる瑠衣(長澤)の弟・慎太郎役で出演したため、「同じモチーフだったので正直迷いました」と本作のオファーを受けた約1年前の心境を吐露する。
しかし、中川龍太郎監督から「全く違う形になるから比較対象にはならないよ」と伝えられたことで安心し、映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(15)でもタッグを組み、普段から交流のある同世代の中川監督の「力になりたい」という気持ちも込めて出演を決めた。
また、「中川くんが初めて原作がある映画を手掛けるので、これまでのフィルモグラフィーの中で異端になる作品を作りたかったし、普通の純愛物語にしたくなかった」と熱い思いがあったことも打ち明けると、「おとぎ話のような独特な世界観を持つ物語だから、枝葉の部分はエッジが効いていても、幹の部分は普遍的なものにしたかったし、そのあんばいに結構悩み、みんなでディスカッションを重ねました」と撮影時を振り返った。
「ほとんど経験がない」というラブストーリーだが、「コメディーでも、家族ものでも、恋愛ものでも、『この人のためになりたい』と愛情を向けることが役作りのスタートになるので、その相手が、友人や家族、恋人でも気持ちの起こし方は変わりませんでした」と気負いはなかった様子。満足のいく行助を演じられた仲野は、「恋愛ものは今まで縁がなかったけど、機会があれば今後もやっていきたいです」と期待を寄せた。
女性のタイプも尋ねてみると、「子どもの頃から勉強ができなくて、クラスでも騒がしい方だったので、自分とは真逆のおとなしくて知的な女の子に引かれていました。ビジュアル的には、海とか森とか田舎とか自然が似合うナチュラルな感じが好きかな」とにっこり。
加えて、「僕は仕事の優先順位が高いので、相手にもそうであってほしいし、互いに高め合えるといいですね」と理想の関係性にも言及した。
本格的ラブストーリーに挑戦した仲野は本作以降、4本の映画の公開が控えており、今ノリにノッている。その要因は改名にもあるのだろか…。
もともと「太賀」という芸名は父・中野英雄と事務所によって決められたもので、仲野は「ずっと名字がほしかった」と明かす。そもそも仲野自身、2世であることは「一人の役者としての自分を見てほしいという気持ちはあったけど、2世俳優という目で見られることは宿命だから仕方がない」と考えていた。
とはいえ、「名字がないことで2世であることを隠している」ようにも感じており、「そんなに気になるなら変えちゃえ!」と決意。その際、「中野」ではなく「仲野」にしたのは、「俳優人生において仲間との出会いが財産」と感じていたからだそうだ。
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