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岸谷五朗と寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」の結成25周年を記念した祝祭公演として、2009年に地球ゴージャス10作目の公演として上演された「星の大地に降る涙」が新演出版で上演される。今回の公演では、主演に新田真剣佑を迎え、岸谷自らが脚本を書き直してミュージカル化。戊辰戦争時、歴史の大きな渦に巻き込まれた人間たちの生きざまを描く。岸谷と寺脇に、本作の見どころ、さらには「地球ゴージャス」への思いを聞いた。
岸谷 性格も違うし、考え方も違うから興味があるし、相手に引かれる。その上で、一番、核となる方向性が同じなのだと思います。
寺脇 そこさえ同じであれば、他の道はバラバラでもいいんですよ。お互い、寄り道する場所は違うけれども、また同じ道に戻ってきて、同じ風景を見ようと思える。そんなところかもしれません。
岸谷 25年前、僕らは10年間、同じ劇団で一緒に活動をしていて、劇団の素晴らしさを学びました。その上で、自分たちで世の中に対して戦っていこうと思ったときに、劇団組織じゃないと思ったんです。劇団には劇団の良さがあることは分かっていますが、それでも僕らは2人だけで作る良さを選んだ。その良さとは、例えば、一つの脚本に対して、世界中から役者をキャスティングできるということ、つまりは脚本が良くなるためにキャスティングできることだったり、自由なフットワークでたくさん公演が行えることだったり、ということです。そして、25年間必死にやってきて、結果として地球ゴージャスの新作に10万人のお客さまを呼べるようになった。これは、このやり方が間違っていなかったんだろうと思います。
寺脇 「こうしたい」というところから始まっているから、無理がないし、ストレスもないんです。劇団の良さはもちろん分かっていましたが、そこにはストレスもあった。こういう演出じゃないものがやってみたいとか、こうしたらいいのにという思いが、やっていくうちに出てきたんです。それは、劇団が嫌になったということではなく、自分たちがやりたいものが見えてきたということだと思うのですが。だったら、それをやるべきだ、と。僕は、自分たちが疑問を持ったままのお芝居をお客さまに見せるのはとても失礼なことだと思ったし、それが面白かろうが、面白くなかろうが、成功しようがしまいが、自分たちが納得したものをやれば、自分たちの中では納得できる。そんな思いからスタートしました。
岸谷 どんな形を作ってもいいと思っていることです。今、僕たちがやりたいこと、飢えていることは何だろうということを考えて、その飢えていることをする。飢えているものじゃないと、追求ができないと思うんです。追求することがエンターテインメントのレベルを上げていくことにもつながると思います。
寺脇 それから、僕たちは見に来てくださった方の五感を全てを震わせたいと思ってやっています。鳥肌を立ててもらいたいし、笑ってもらいたいし、泣いてもらいたいし、怒ってもらいたい。人間が持っているものを全て引き出すようなものを作りたいんです。でも、たとえ悲しい結末だとしても、何かしらの希望は持って帰ってもらいたい。暗たんたる気持ちで帰ってほしくはないというのは、大前提としてあります。
岸谷 祝祭公演と冠している通り、地球ゴージャスのお祭りにしたいという思いがありました。ミュージカルにして、会場を舞浜アンフィシアターにして、初演よりもさらにエンターテインメント性の強い作品にしたかったんです。今、脚本を全部書き直していますが、新たな曲も増え、初演時よりもバージョンアップしたものをお見せしたいと思っています。
岸谷 この会場は、エンターテインメントを作るには最高の場所だと思います。ただ、この会場で公演することで、舞台セットをほかの会場に持っていけないので、今回は東京公演と大阪公演のみになっていますが。それでも、舞浜アンフィシアターで見る演劇は特別だと思います。
寺脇 地球ゴージャス20周年のときに、アンフィシアターでガラコンサートを行わせてもらったんです。そのときに、ここはすごくいいと感じましたし、先生(岸谷)の琴線にも触れたんでしょう。僕も思いました。あの広い空間は、北海道の空で大地。星の大地だって。「星の大地」を表現するのに、ぴったりの会場だと思います。
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