【インタビュー】New Musical『Color of Life』東啓介「こんなにも温かい作品に出演できる幸せ」

2019年2月20日 / 11:00

 人気舞台『刀剣乱舞』シリーズなどで活躍してきた東啓介がNew Musical『Color of Life』に出演する。画家と女優。2人は、飛行機で偶然隣りあわせになり、引かれ合い、ニューヨークの彼女の部屋で一緒に暮らし始める。だが、やがて観光ビザの90日間の猶予切れが近づいてきて…。演出家・石丸さち子氏と音楽家・伊藤靖浩氏のタッグで2013年にオフ・オフ・ブロードウェーで初演、16年の日本初演でも高い評価を得て、17年には再演も果たした。今回は、実力派俳優の東と青野紗穂を迎え、脚本・作詞・演出の石丸氏、作曲・編曲の伊藤氏と共に、新たな『Color of Life』を作り上げる。東に作品や役柄への思いなどを聞いた。

画家役の東啓介

 

-出演が決まって、現在の心境は?

 本読みをしたときに自分のできなさに気付いて、ちょっとした焦りと、それとは別にワクワクが入り交じっている感じです。最初は楽曲のあまりの難しさに歌えなくて、歌唱部分は(作曲・編曲の)伊藤さんに歌っていただいて、僕らはせりふだけを発するという形でやらせていただいたんです。曲があって、せりふがあって、またすぐ曲が入るので、お話の流れに付いていけなかったんです。それで、これは歌いこなさなければいけないという責任感が生まれました。

-本作の印象を。また面白みをどこに感じましたか。

 最近、シリアスな作品が多かったので、「そういえばこんな作品をしばらくやっていなかったな…」という第一印象でした。画家と女優の甘酸っぱい関係が、「いいなぁ……」となりました(笑)。笑顔になれますし、こんなにも温かい作品に出演できるなんて、と幸せを感じました。

-グランドミュージカル「マタ・ハリ」「スカーレット・ピンパーネル」など、さまざまなミュージカルに出演されていますが、本作は出演者が2人だけのミュージカルで、今までとは違ったものですね。

 今回の曲は、紡がれている言葉の一つ一つがすてきで、曲とすごくマッチしているんです。分かりやすくてシンプルなんですけど、今までにないような曲でした。芝居の部分と楽曲とのつながりが強いので、ちゃんと歌えないと芝居が成り立たなくなると思わされた作品です。

-今回、演じる画家という役柄の印象は?

 画家を目指していて、大震災を機に画題を見失ってニューヨークに行ったときに、偶然女の子と出会うんです。その子を見ていると、笑顔が思い浮かんでしまって、無性に描きたくなって、好きになっていくんですけど、その画家の姿が本当にかわいいなと思います(笑)。ピュアで、恋に落ちているんだなという印象です(笑)。

-東さんのおじいさまは画家だったそうですね。

 そうなんですよ。僕も祖父の絵を見て生きてきたので、感慨深いです。もう亡くなってしまったんですけど、祖父に報告しないといけませんね。祖父は厳しい人だったので、生前はあまりしゃべれなくて、今となってはそれが悔しいんです。とても物静かで、そういう姿が画家を演じるにあたって生きるといいかなと思っています。

-画家役ですが、絵の腕前は? もともと絵心はありましたか?

 実は、絵心がメッチャあるんです! 「スカーレット・ピンパーネル」に出演したときに、原作小説の邦題である『紅はこべ』にちなんで、スタッフTシャツに紅はこべの花のロゴをデザインしたんです。ただ、人物画は描けないんです。風景画とか、花とかそういう物だったら得意です。

-初共演となる青野さんはどんな方ですか?

 ビジュアル撮影でお会いしたんですが、笑顔がすてきで、とても明るく元気で、よくしゃべる方です。だから、すごく役に合っていると思いました。でも、とても真面目で真剣なところもあって、ギャップを感じます。青野さんは20歳には見えないぐらい大人っぽい方ですけど、実際に話をしていると、20歳の女の子だなと思いました。僕とほとんど変わらない年齢なんですけどね(笑)。いい意味でギャップがたくさんある方です。

-作品の舞台としてニューヨークが登場しますが、行かれたことは?

 ないんです。公演前にお休みをいただいて、ちょっと行かなきゃいけないですね(笑)。演じる画家は1人旅でニューヨークに行こうとしているんですけど、僕は1人旅より2、3人で行きたいです。

 
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