【インタビュー】『ラ』桜田通「今回は、監督の狙いの全てに乗っかろうと思いました」

2019年4月2日 / 10:00

 ある出来事を機に解散した音楽バンドのリードボーカルだった慎平は、バンドの再結成を夢見ていたが、現実は彼の思わぬ方向へと二転三転していく。若者たちの苦悩と変転を描いた『ラ』(4月5日公開)で慎平役を演じた桜田通に、映画への思いや、撮影の裏側について聞いた。

写真:田中舞

-最初に脚本を読んだときは、どう思いましたか。

 個人的には、今まで、こういうちょっとアングラのにおいがするような役をやったことがなかったので、うれしかったし、チャレンジしてみたいと思いました。自分のことを、こんなふうに見てくれている人たちがいることが新しい発見でした。

-演じた慎平は、バンドのボーカル役でした。ご自身もミュージシャンとして活動していますね。慎平はちょっとつかみどころのない男という設定でしたが、共感できましたか。

 確かに、慎平は、どちらかというと、周りの状況に巻き込まれてしまう、受動型の、意志が弱いタイプです。でも、目的を達成するためには必死なところがある。そういう熱さや、独特のこだわりの部分は理解できました。ただ、いろんなことに対して、見て見ぬふりをしてしまうところは、僕とは違いますけど(笑)。

-バンドを描いた映画だと思って見始めると、その後の不思議な展開に驚くところがある映画でした。演じる上で迷いはありませんでしたか。

 今回は(高橋朋広)監督が脚本も書いているので、僕はその全てに乗っかりたいなという気持ちが強かったです。監督と直接お話をしてみて「この人になら付いていきたい」と思えました。だから、自分本位にならないようにしながら役と向き合いました。最初は青春映画っぽく見せておいて、実は全く違って、話が二転三転していく。まるでジェットコースターみたいな面白さを出すことが、監督の狙いだったと思います。だから僕は「ただそれに乗っかろう」と思って、後の展開のことはあまり考えずに、目の前で起きていることだけを考えて演じました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「光る君へ」第十六回「華の影」まひろと道長の再会から窺える物語展開の緻密さ【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年4月27日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。4月21日に放送された第十六回「華の影」では、藤原道隆(井浦新)率いる藤原一族の隆盛と都に疫病がまん延する様子、その中での主人公まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)の再会が描かれた。  この … 続きを読む

宮藤官九郎「人間らしく生きる、それだけでいいんじゃないか」 渡辺大知「ドラマに出てくる人たち、みんなを好きになってもらえたら」 ドラマ「季節のない街」【インタビュー】

ドラマ2024年4月26日

 宮藤官九郎が企画・監督・脚本を手掛けたドラマ「季節のない街」が、毎週金曜深夜24時42分からテレ東系で放送中だ。本作は、山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる“街”を12年前に起きた災害を経て建てられた仮設住宅のある“街”へと置き換え … 続きを読む

【週末映画コラム】全く予測がつかない展開を見せる『悪は存在しない』/“反面教師映画”『ゴジラ×コング 新たなる帝国』

映画2024年4月26日

『悪は存在しない』(4月26日公開)  自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からもそう遠くないため移住者が増加し、緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧(大美賀均)は、娘の花(西川玲)と共に自然のサイクルに合わせたつつましい生活 … 続きを読む

志田音々「仮面ライダーギーツ」から『THE 仮面ライダー展』埼玉スペシャルアンバサダーに「埼玉県出身者として誇りに思います」【インタビュー】

イベント2024年4月25日

 埼玉県所沢市の「ところざわサクラタウン」内「角川武蔵野ミュージアム」3Fの EJアニメミュージアムで、半世紀を超える「仮面ライダー」の魅力と歴史を紹介する展覧会『THE 仮面ライダー展』が開催中だ。その埼玉スペシャルアンバサダーを務めるの … 続きを読む

岩田剛典 花岡の謝罪は「すべてが集約された大事なシーン」初の朝ドラで主人公・寅子の同級生・花岡悟を熱演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

ドラマ2024年4月25日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。明律大学女子部を卒業した主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)は、同級生たちと共に法学部へ進学。男子学生と一緒に法律を学び始めた。そんな寅子の前に現れたのが、同級生の花岡悟だ。これから寅子と関わっていく … 続きを読む

Willfriends

page top