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ある雪の日、1人の少年が突然姿を消す。その行方は不明のまま30年が経過。事件の責任は弟を見失った自分にあると、自責の念にとらわれたまま大人になった少年の兄・白川一希と、少年誘拐の容疑者の娘として育った江藤早百合。被害者の兄と容疑者の娘である2人の周囲で再び事件が動き出し、思わぬ真実が明らかになっていく…。これが長編デビュー作となる甲斐さやか監督が、自身のオリジナル脚本を映画化した重厚なミステリー『赤い雪 Red Snow』が、2月1日に全国公開された。ダブル主演を務めた白川一希役の永瀬正敏と江藤早百合役の菜葉菜が、撮影の舞台裏を語ってくれた。
永瀬 何といっても、脚本が素晴らしかった。こんなに重厚な雰囲気のある作品に出会ったのは久しぶりです。まるで映画を見ているように、「どうなるんだろう?」と興味を引かれたまま読み終えてしまい、「ぜひ、この世界に身を置かせていただきたい」と。
菜葉菜 永瀬さんがおっしゃったように、重厚な雰囲気のある脚本で「これぞ映画だな」と。早百合という役はものすごく強烈ですが、その分やりがいもあって魅力的。そういう役を甲斐監督が「私に」と言ってくださったからには、何かあるんだろうと。そういう知らない自分を知りたいという気持ちもあり、「ぜひやらせてください」と答えました。こんなふうに思える作品は、一生に一度出会えるか出会えないか。私にとっては、それがまさに『赤い雪』でした。
永瀬 小柄でかわいらしい方だったので、「この人がこんなに鋭い脚本を書くの?」と驚きました。話をしても、作品に漂うアンニュイな雰囲気は全く感じられず、とても素直。ただ、じっくり聞いていると、節々に「なるほど」と納得できるものがある。だから、「この監督には、きっとまだ何かがあるはずだ」と。ますます「身を預けてみたい」と思うようになりました。
菜葉菜 以前、甲斐監督の短編を見る機会があったんです。そのときから、その世界観に魅了され、「この監督と一緒にお仕事をしたい」と思っていました。実際にお話をしてみると、自分のことを見抜かれていると感じることがあったり、自分でも感じていた「役者として足りない部分がある」ということを指摘してくださったり…。役者に対する愛がないと、普通はそこまで見てくれません。そういう意味で、ものすごく愛情を感じたので、「監督の世界に入りたい」とより素直に思うことができました。
永瀬 僕も幼い頃に弟を亡くしているので、身内を亡くすという点では、一希に通じるものがありました。とはいえ、基本的には甲斐監督に委ねた感じです。どんな作品でもその姿勢は変わりませんが、今回は監督が「この人は、絶対に何かある」と思わせてくれた分、いつも以上に委ねる気持ちが強かった気がします。
菜葉菜 撮影に入る前、監督とディスカッションして早百合像を掘り下げる機会があったので、事前にある程度は共有できていました。ただ、監督から「せりふが少ない分、たたずまいで見せないと」と言われていたこともあり、自分なりに彼女の生い立ちや背景を調べた上で、現場に臨みました。
永瀬 菜葉菜さんの顔が、それまでとは全く違いました。撮影が始まると、一希に追い駆けられた早百合が逃げる途中、自転車で思い切り転倒したのに、全く気にせず芝居を続けていて…。
菜葉菜 本気で転びました…(笑)。
永瀬 普通だったらカット(の声)が掛かって、心配したスタッフが集まってくるはずなんです。でも、それをさせない気迫がありました。
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