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アメリカ国立公園の大自然や絶景を巡る映画『アメリカ・ワイルド』が21日から公開される。オリジナル版でロバート・レッドフォードが務めた案内人を、日本版では俳優の小澤征悦が担当。実際にアメリカ留学経験のある小澤が作品の魅力や、アメリカへの思いを語った。
アメリカの国立公園制度生誕100周年を記念して製作したこの映画は、アメリカが誇るイエローストーンや、ヨセミテなどの景色を、最高画質のIMAXカメラで撮影。約40分の上演時間で、観客を地球でもっとも壮大な“美の宮殿”に誘ってくれる。
オリジナル版を担当されているロバート・レッドフォードさんは名優中の名優。そんな素晴らしい人がやっているものの日本語版が俺でいいのかなと思いました。
ちょっと緊張したのですが、言っていただけるなら一生懸命やろうと。すごく光栄なことですし、受けさせていただきました。
まずオリジナルの映像を見たのですが、ロバート・レッドフォードさんはあまりナレーション自体に抑揚をつけていなかったんです。声色も使ってないし、派手な演出もしていない。僕も今回の作品に関しては映像が持つ力というのがありますから、それとぶつからないように意識しました。その中でも棒読みになってはいけないわけで、ある種の感情も表現できたらと思ってやりました。
もちろん難しかったです。抑えている分だけ、(感情の揺れ)幅が少ないので。ただ、何回か撮っていくと映像と音楽と自分の声が「あ、はまったな」と感じる時があるんです。そんな瞬間はすごくうれしいです。
結構不安ですよ。自分だけが(収録)ブースに入っているので、外の声は聞こえません。窓ガラス越しに、誰かが首振ったりしていると「全然ダメだな、こいつ」って言われてるんじゃないかなって…(笑)
僕はアメリカで生まれて、日本で言う保育園ぐらいまで住んでいました。学生時代にも日本の大学を1年休学して、ボストン大学というところに留学しまして、その時に、英語の勉強と、結果的に芝居の勉強も初めてしたわけですが、その時にグランドキャニオンは行きました。
留学当時、僕がどうしてもやりたかったのが、車でのアメリカ横断。東海岸のボストンから西海岸、サンフランシスコまで男友達と二人で横断しました。一週間、8日間ぐらい、ずっと運転しっぱなしで、夜は車の中で寝るみたいな…。その時に、自分たちが通っていた道が“ルート40”と呼ばれる「国道40号線」だったんです。
ずっと砂漠地帯が続くのですが、途中にグランドキャニオンが近くにあって「どうせなら寄ろうぜ」となって行きました。パーキングに着いたのが夜中。周りは街灯もないし、真っ暗ですよ。周りがどんな景色かも分からない。次の日、明るくなってから、あらためてその絶壁の高さを見ると足がすくみましたね。
前から行きたいと思っていたのが「イエローストーン国立公園」。色鮮やかな間欠泉のあるところです。あとは「ヨセミテ国立公園」。セコイヤの木という樹齢何千年というのがある。屋久島の屋久杉みたいな。それはいつか見てみたいですね。
アメリカに居た時に、時々夜、外に出てやっていたことがあります。木が周りに生い茂っている場所なんですが、地面に座って、見上げると星空が見えるんです。願わくば風が吹いていてほしい。静けさの中で、風が吹くと、葉っぱがサーと鳴るんですが、その木々が擦れる音を聞くのが好きでしたね。一度は、本当に“神様が降りてきたんじゃないかな”と思う瞬間もありました。まあ、その時は酔っ払ってましたけどね(笑)。
僕は『クライマーズ・ハイ』(2008年)という映画でロッククライミングのシーンを初めて撮りました。僕はこう見えて結構インドア派でね。よく「意外。キャンプとかやってそう」と言われるのですが、全然、喫茶店とかで本を読んでいるタイプです(笑)。
ロッククライミングをやった時は体中が筋肉痛になりましたね。最初の訓練で“オーバーハング”というのをやらされたりして、それでヘトヘトになりました。指導の方に「みなさんもこういう訓練されるんですか?」って聞いたら「こんなことを初心者がいきなりやるわけないじゃないですか。役者さんは大変ですね。ハハハハ」って笑われて…(笑)。経験はありますけど、だからこそ、映画を見ると大変そうだな、すごいなと思いますね。
アメリカの国立公園の大自然の圧倒的な素晴らしさはもちろん、映画を見ているだけで一つの冒険をしたような気分になれる作品だと思います。あとは、やはりお子さんに見てもらいたいですね。この映画を見ることで、子どもたちが「アメリカに行きたい」「自然、動物に関係する仕事がしたい」などと大自然に興味を持つようになってくれたら一番素晴らしいんじゃないかなと思います。
『アメリカ・ワイルド』
5月21日(土)より109シネマズ二子玉川ほかIMAX(R)3D版で公開
(c)VisitTheUSA.com
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