フジテレビ開局55周年特別企画ドラマ「オリエント急行殺人事件」の完成披露試写会が5日、東京都内で行われ、出演者の野村萬斎、松嶋菜々子、二宮和也、杏、玉木宏、沢村一樹、佐藤浩市と脚本の三谷幸喜氏が出席した。
本作は、アガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』を、三谷版として舞台を昭和初期の日本に移し、第1夜は可能な限り原作に忠実に映像化、第2夜では時間と空間を広げ、犯人の視点から事件を再構築する。
下関と東京を結ぶ寝台付き列車の客室内で他殺体となって発見される実業家を演じた佐藤について、三谷氏は「佐藤浩市の死に顔は良かったです。本当に死んでいるのではないかと思うぐらい。少しずつ死後硬直していく様子が素晴らしかったですよ」と絶賛。佐藤は「メールを送ったらあなた(三谷)が『死後硬直を楽しみにしています』と言ったんじゃないですか」と笑わせた。
三谷氏は、日本版名探偵ポアロの勝呂武尊を演じる野村についても「異国人のような雰囲気がほしいとお願いしたら、勝呂はそれを飛び越えて異星人のようなすごい感じに仕上がっていて、これは大丈夫かと多少思いました。でもすぐに慣れます」と語り、「最後の15分ぐらいの長ぜりふで謎を解くシーンは圧巻。彼じゃないと成立しなかったと思う」と自信をのぞかせた。
野村が「皆さんはほぼ聞いているだけ、僕はしゃべっているだけ。必死にしゃべりました」と語ると、松嶋は「本当につっかえないので、カットがかかるたびにみんなで拍手をして、さすがですねと感動させてもらいました」といい、野村の長ぜりふの後に出番が来る二宮は「そこのプレッシャーに耐え切れず、僕は3回ほどかみました」と明かして笑いを誘った。
また、放送日が成人の日ということもあり、試写会には晴れ着姿の新成人も来場。二宮は「明治神宮で松本潤と一緒に成人式を迎えました。僕はその時スーツを持っていなくて、ちょうど深夜番組で着た接着剤などいろいろ付いたままのスーツをもらって着ていたんです」としみじみ語った。
「隣にいた松本は成人式の1回しか着ない、おそらく何十万円もするスーツを作ってきていて、やっぱりケチっちゃいけないなと思いました。皆さんも大人になるということですから、使うときはばーっと使ってエンジョイしてください」とメッセージを送った。
ドラマはフジテレビ系で11日、12日の午後9時から2夜連続でオンエア。