渋谷・コクーン歌舞伎第十三弾「天日坊(てんにちぼう)」の製作発表会見が27日、東京都内で行われ、歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助、中村獅童と脚本家の宮藤宮九郎氏、演出の串田和美氏が登場した。
本作は、幕末の歌舞伎脚本作家・河竹黙阿弥の原作で、彼の代表作「白浪五人男」弁天小僧菊之助の「知らざあ言って聞かせやしょう」の名ぜりふに代表されるような、独特の言い回しが特徴となっている。
宮藤氏の手掛けた台本について、勘九郎は「黙阿弥の七五調を取っ払い、現代語風にアレンジしていて、カッコいいと思う。台本を読んだ父(勘三郎)が『これ俺出ないけど大丈夫かー?』と言ってきたので“これはやったな”と思った」と自信をのぞかせた。
さらに「(宮藤の)脚本を読むと、それ以上に応えようとして、僕は空回りしてしまう。(シネマ歌舞伎)『大江戸りびんぐでっど』で下ネタバンバンやったのは、僕発信でした」と、苦笑しながら反省の弁を述べた。
それに対し宮藤は「普通、父親の前であんなことできませんよ。彼の迷いのないところがカッコいいと思う。真っすぐなところが本作の主人公に通じていて、ぴったりの配役だと思います」と絶賛した。
舞台は、6月15日~7月7日、Bunkamuraシアターコクーンで上演。