【インタビュー】菊地凛子「ボタンを掛け違うと、愛さえも精神的な暴力に変わる」 「夢を与える」で女優の娘に過剰な思い入れを持つ母親役

2015年5月18日 / 20:20

 16日からで放送中のWOWOWの連続ドラマW「夢を与える」(全4話)。芸能界で天国と地獄を見る母娘を描いた綿矢りさ氏の小説を、小松菜奈と菊地凛子のW主演でドラマ化した。元モデルで自分が果たせなかった夢を娘に託し、過剰な思い入れで娘を振り回す母親役を演じる菊地。彼女が母娘の確執とスリリングなドラマの魅力を語る。

 

娘を振り回す母親役を演じる菊地凛子

娘を振り回す母親役を演じる菊地凛子

-犬童一心監督作品への出演は経験済みですね。

  ええ、昨年同じWOWOWの「グーグーだって猫である」というドラマにワンシーンだけ出演しました。その時に、監督が「菊地凛子は母性のある役どころもできるのでは」と感じてくださったようで、今回の役を頂きました。

-台本を読んでどう感じましたか。

  親子がボタンを掛け違うと、愛さえも精神的な暴力に変わるんだなというのが第一印象でした。

-娘の夕子が母親の幹子に「いつも自分が正しくて、謝るまで絶対に許さない」と厳しく言いますね。

 母親のエゴですよね。自分が良かれと思ってやったことは、娘にとってもいいはずだと思い込む一方通行。人間の悲しさが出ています。

-実際に演じてみていかがでしたか。

  見ている人からは否定されるような役どころですが、なかなかできない役だし、ざらざらとした母親の嫌らしさは演じていて面白かったです。

-娘役の小松さんはいかがですか。

  最初は何かを秘めている感じでとても静かでしたが、集中すると感情をわーっと出す人で、とても力のある人でした。実際の人生では言えるかどうか分からないぐらいの過激なせりふのシーンも小松さんは生き生きと演技されていました。

-夕子が抱える葛藤に共感できましたか。

  知らない間に芸能界の最前線に立たされるというのは、自分が自分でないという感じがしますよね。それは理解できます。

-犬童監督の演出を受けた感想は?

  独特のカラーを持つ監督だと思います。たたずまいがとてもいい。穏やかですが、しっかりとしたビジョンを持っています。演出に引き込まれていく感じがしました。監督のこだわりは隅々まで感じます。例えば劇中で使うチーズメーカーのCMの撮影で監督は溶けたチーズの伸びにすごくこだわっていて(笑)。本当のCMみたいでした。

-犬童作品にまた出たいと思いましたか。

  ええ、監督の映画に出たいです。強い女性の物語や、対等な女性二人の物語などが面白いのではないかという話はしました。(聞き手=エンタメ批評家・阪清和)

 

【菊地凛子(きくち・りんこ)】女優。アカデミー賞の助演女優賞にもノミネートされた映画『バベル』で注目を浴び、『パシフィック・リム』などのハリウッド映画でも活躍。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

松本怜生 豊臣兄弟を支える忠臣・石田三成を好演中「演技について家臣団で話し合っています」【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年10月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=羽柴秀長/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡跡を描く物語は快調に進行中だ。劇中、秀 … 続きを読む

柚香光「つややかで、あでやかで、華やか、そして情に深く」 最後の「髑髏城の七人」に挑む思い【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月11日

 作・中島かずき、演出・いのうえひでのりによって生み出された劇団☆新感線を代表する演目である「髑髏城の七人」。7年ごとに繰り返し上演され、そのたびにさまざまな工夫を凝らし進化をし続け、これまで11バージョンが上演されてきた。そして、今回「髑 … 続きを読む

堤真一「自分なりの演じ方」で描き出す 濵田崇裕、ローマは「僕が出会ったことがない人間」 「グレンギャリー・グレンロス」で初共演【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月10日

 堤真一と濵田崇裕が初共演にしてダブル主演を務める、Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.17「グレンギャリー・グレンロス」が、11月6日から上演される。本作は、1983年 … 続きを読む

戸田菜穂「スッとあの時代に入っていけるような空気がありました」名作漫画の実写映画化で、昭和の母を好演『遥かな町へ』【インタビュー】

映画2026年10月9日

 10月9日から全国公開となる『遥かな町へ』は、「孤独のグルメ」「神々の山嶺」で知られる漫画家・谷口ジローの名作を実写映画化した作品だ。  建築デザイナーとして活躍する48歳の中原博史(大谷亮平)が、故郷・鳥取県の倉吉で母親の墓参りを済ませ … 続きを読む

【映画コラム】9月の公開映画から

映画2026年10月8日

「バックルームズ」(9月4日公開)★★★ 出口のない迷宮が生む恐怖  “あるはずのない隙間”から、黄色い壁に囲まれ蛍光灯に照らされた迷宮のような空間へ迷い込んだ男(キウェテル・イジョフォー)が、出口を求めてさまよう。インターネット発の都市伝 … 続きを読む

page top