エンターテインメント・ウェブマガジン
ご一緒するのは今回が初めてでした。先に佐野さんの声が吹き込まれている状態でアフレコをさせていただきましたが、1日だけ一緒にお芝居ができた日がありました。その時に、第一声から本当に迷いなくジュゼッペだなと感じたので、役をつかむ速さや、役を自分のものにしてしまうスピードがとてつもなく早いと思いました。劇中でジュゼッペがいろんな言語を一気に話すシーンがあるんですけど、そこもよどみなくやってらっしゃって。きっと裏ではすごい努力をしてらっしゃるんでしょうけど、そのご苦労をあまり見せずにさらっとこなしてしまうスマートさも感じました。とにかくこの作品に懸ける思いや愛情というものを、アフレコの時から感じていたので、とても頼もしいパートナーだと思いながらお芝居をしました。
そうですね。すごくぜいたくでしたし、2人の掛け合いのところは、1日だけご一緒できたアフレコの日に同じ空間で2人で録ったんですけど、その掛け合いの時は私たちも初めましてでしたし、ペチカとジュゼッペも初めて出会うシーンだったので、そのリアルな初めまして感が、声としてもちゃんと乗ったかなと思います。
確かにあそこはちょっとほろ苦い大人の恋愛の要素もあったりします。ペチカがタタンにしか見せない顔というのもすごく感じました。でも、タタンにはないものをジュゼッペは持っているし、過去と今を見つめ直すシーンでもあるので、2人の対比が面白いなと思いました。ジュゼッペのように誰かになりすましてお芝居をするのはやってみたいですね。ちょっと切ない感じもしますけど、ジュゼッペの懸命な感じが出ていてグッとくるシーンだと思います。
見終わって試写室を出た時に、その日の空や街の中にあるものがすごく美しく見えて、ちょっと心の洗濯をしたような気持ちになりました。アフレコは基本1人でやっていたので、他の方が当てられた声を聞くと、よりキャラクターが魅力的に思えたりもしました。とにかくこの作品の中に流れているものがとてもすがすがしくて美しいものばかりなので、早くいろんな方に見ていただいて、心を掃除するような気持ちになってほしいなと思いました。
タイトルに『トリツカレ男』とあるように、人だけではなくて物とか趣味とかでもいいので、何かにとりつかれて、いろんなことに心血を注いできた方たちに送りたいお話ですし、改めて人が人のことを思って起こすアクションってすごくいいよねと思わされるような作品になっています。年齢制限もないので、小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います。
ジュゼッペとペチカが出会って、「ファンファーレ ~恋に浮かれて~」という曲を歌って、2人が空に舞い上がるシーンがあるんですけど、そこは、自分が心を許せる相手に出会えた喜びや、胸が高揚する感じがすごく出ているシーンです。歌もすごくいいですし、その歌と一緒に流れる2人の動きや街の背景もとてもきれいなので、そこはぜひ注目してほしいです。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2001 いしいしんじ/新潮社 (C)2025映画「トリツカレ男」製作委員会
ドラマ2026年9月26日
-劇中では、渡部篤郎さん演じる珠の父・清治が強烈な存在感を放っています。珠と清治の関係も物語の重要なカギになりそうですが、2人の関係をどのように捉えていますか。 実際のお父様は、宇野千代さんが「ドストエフスキーの小説に出てくる狂人のよ … 続きを読む
映画2026年9月25日
『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』(9月11日公開) ニューヨークの貧しい家庭に生まれたアフリカ系アメリカ人のアレン・ネルソン(ロドニー・ヒックス)は、貧困と差別から抜け出すため18歳で海兵隊に入隊する。1966年、ベトナム戦争 … 続きを読む
映画2026年9月24日
-クライマックスの「勧進帳」で、歴代の團十郎さんによる弁慶と富樫が重なって映るシーンも、三池監督の発案でしょうか。 團十郎 私からは何も言っていません。三池さんが一生懸命にお作りになって、ああいう形になってよかったと思います。父(十二代目) … 続きを読む
映画2026年9月18日
-お二人は今回が初共演だそうですが、そういう金田一と辰弥の関係をどのように作っていったのでしょうか。 松也 僕のクランクインが、ロケ地の岡山でちょうど奥さんや堀田(真由/森美也子役)さんと3人のシーンでしたので、初日の撮影が終わった後にみん … 続きを読む
映画2026年9月18日
有村 花春ちゃんは、その青さといい輝きといい、本当に今しかないものがしっかりと画面に映っていました。15歳の聡子ちゃんには、まだ名の知れぬ感情がいっぱいある。これからこの子はいろいろな感情を知って大人になっていく。今はそのスタートラインにい … 続きを読む