草なぎ剛「やっぱりすごい…。心からリスペクトしています」 風吹ジュン「学ぶことも多く、新しい意識が生まれるドラマ」「終幕のロンド」【対談インタビュー】

2025年10月27日 / 10:45

-お二人は、娘の真琴(中村ゆり)に余命を伝えないと決めたこはるの生き方に共感できますか。

風吹 こはるは愛に生きる人なので、会えばけんかばかりしてしまう娘でも、そこには母親としての愛情しかなくて、それが彼女の決意、引いては“死にざま”につながっているんだと思います。私にも娘がいるので、こはるに共感するところはあるし、愛する対象がいるからこそ、最後まで人生をまっとうできるんじゃないかしら。

草なぎ そうですね。自分がこの世に別れを告げる日が分かっていて、そこから逆算してどう生きるかを考えられるならいいんでしょうけど、人間そうはいかないもの。だからこそ、自分がやりたいことに対して素直に生きたいですよね。余命を宣告されたから焦って何かをするわけじゃなくて、普段通りに最後まで生きられたらいいなと思います。そういう意味では、僕、生前整理はちょっとできそうにないかも。必要以上に部屋から物をなくすと、なんだか寂しくなりませんか?

風吹 ミニマリストになれるかっていうこと? 私も仕事柄、特に衣装とかはなかなか捨てられないでいます。10年ごとに整理はしてるけれど、それでも増えていくのはしょうがないかな。でも、生前整理って、いい意味でクリエーティブな生活ができそうじゃない?

草なぎ 確かに、身動きは取りやすくなりそうですよね。でも実は僕、一度ミニマリストを目指してみようと試したことがあって。でも結局駄目だったんですけどね。やっぱり部屋に物があふれていると、ストレスになるじゃないですか。きちんと整理した方が頭も整理されると思いますし。だから、1回全部なくしてみようと思って、家にあるものを次から次へと人にあげたんです。結果、そのときはすごくすがすがしい気持ちになったんですけど、しばらくしたら同じものがまたほしくなっちゃって。「なんであれを手放したんだ!?」って、結局同じものをまた買い直し。その時、僕にはミニマリストは向いてないなって悟りました(笑)。

風吹 ちょっと極端過ぎたのかもしれないわね(笑)。

草なぎ そうなんですよ。やっぱり何事もさじ加減は大事です。でも、遺品整理人という仕事に関しては、普段の僕と少し重なるなと思う部分があったんですよ。

風吹 どういうこと?

草なぎ 僕、ビンテージや古着が好きで、自分が持っている服のしわとかを見て、「この人は農作業をやってたんだな」「これはマッチをすった後だな」って分析するのが好きなんです。それが、遺品から亡くなった人の気持ちをくみ取る樹と似ているなと思って。

風吹 演じる前から自然と役作りができていたということね。素晴らしい!

-この作品では、たくさんの“別れ”が描かれていますが、大切な人との別れを乗り越えるために必要なものは?

風吹 大切な人が亡くなったときはもちろん悲しいけれど、悲しむよりも、その人と過ごした時間を思い出すことで存在を感じる、そうやって乗り越えるしかないんじゃないかしら。肉体は離れても、その人の魂は自分のそばにいるという考え方をするようにしています。

草なぎ 悲しみは消えるものではないし、何をしても癒えないかもしれないけれど、僕も風吹さんが言うように、肉体は離れても魂はつながってると思っています。誰もがいつかはこの世に別れを告げるし、それは順番にやってくるもの。もちろん、それだけでは到底割り切れないこともあるけれど、自分がその人を思い出すことで、生きていたことを感じるのが一番なんじゃないかな。極端な話、僕は人類の長い歴史で考えたら、自分の一生なんて点に過ぎないと思っていて、でもその点が自分にとっては100%のもので、かけがえのないもの。だからこそ、自分の人生をどう生きていくか、まっとうするかが大切だと思うんです。このドラマも、そういうところを描いていると思います。

風吹 自分が旅立つ時に思うのは、やっぱり残していく人たちに何を与えられたか、見送ってくれる方たちには傷つかないでほしいし、幸せであってほしいと願うわけじゃないですか。そこが大事。命が燃え尽きる自分よりも、残された人たちが大事。悲しんだり惜しんだりすると思うけれど、それだけじゃないないんだよ、ということを、こはるを通して伝えたいです。

草なぎ こはるさんは、まさにそういうことをずっと考えている人ですもんね。

風吹 そう。彼女には愛しかないの。だからこそ、そこに樹をはじめ同じ思いの人が集まってきてくれるんだと思います。彼女は孤独に見えても、決して孤独じゃない。余命3カ月なのにこんなに明るくていいのかと、演じている私が不安を覚えるほど元気ですし(笑)。

草なぎ でもそこが逆にリアルなんじゃないですかね。こはるさんが元気に見えるからこそ、グッとくるシーンがいっぱいありますよ。

風吹 真琴と樹と3人のシーンも、いずれ訪れる別れの日を思うと確かに切ないんだけど、残された3カ月間を全力で生きることは、こはるにとってすごく幸せで…。そういうことを感じながら演じているし、理想の最期だと思いました。

(C)カンテレ

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