花總まり&森公美子が不朽の名作映画のミュージカルに挑む 「映画とはまた違う新しい『バグダッド・カフェ』に出合える」【インタビュー】

2025年9月20日 / 08:00

 花總まりと森公美子が出演するミュージカル「バグダッド・カフェ」が11月2日から上演される。本作は、映画『バグダッド・カフェ』のミュージカル版。映画は1989年に日本公開され記録的なロングランを果たし、当時のミニシアターブームのきっかけとなった作品として知られる。アメリカ西部の砂漠の真ん中にある「バグダッド・カフェ」に偶然現れたドイツ人旅行者ジャスミンと、カフェの女主人・ブレンダとの出会いと友情、さらにそこから広がる国籍も人種も立場も異なる人々の絆を描く。主演のジャスミン役の花總と、カフェの女主人ブレンダ役の森に本作への意気込みを聞いた。

花總まり【ヘアメーク:松田美穂(アルール)/スタイリスト:地曳いく子】(左)と森公美子【ヘアメーク:澤紙泰子/スタイリング:山根沙織】

-最初に本作の出演が決まったときの心境を聞かせてください。

花總 皆さんが大好きだとおっしゃる有名な映画の舞台化ということでとても光栄に思いました。私は映画を存じ上げませんでしたが、(映画のテーマ曲でもあり、ミュージカルの劇中でも歌われる)「Calling You」という曲は知っていたので、「あの曲だ!」とうれしかったです。その後、映画も拝見しましたが、シリアスな映画なのかなと思っていたらところどころにコメディーの要素があって、こんなにも面白いんだと。ジャスミンはあまり話さない人物ですが、彼女の行動が面白いですし、なんとも言えない不思議な魅力のある映画だと思いました。しかも、最後はショーアップで楽しく終わるというのもとても魅力的だなと感じました。

 私は映画のファンだったので「本当に?」と再確認してしまったほど驚きました。しかも、花總さんと一緒。菊田一夫演劇賞の授賞式でお会いしたことはあったのですが、そのときはなかなか話しかけられなかったんですよ。私は、(花總が受賞する)前の年にいただいて、翌年は駒田一さんが受賞したので、そのときは“付添人”として行っていたんです。ミュージカル『エリザベート』を拝見したときに、「この人はエリザベートそのものだ」と心底思うほど、声も質感もトートと対峙(たいじ)する姿もぴったりで、すばらしかったんです。それもあって緊張して、お会いしたときに何て声をかければ良いんだろうと、ごあいさつくらいしかできなくて。今回、こうして改めて花ちゃん(花總)とご一緒できるのが本当にうれしくて舞い上がりました。

 今回、花ちゃんが演じるジャスミンはドイツ人の役ですが、私が知っている限りではドイツ人は几帳面なイメージなんです。洋服を脱いだらすぐに畳んで、次の朝に着る物を用意するというような。私はイタリアに留学していましたが、(ドイツは)パーンと晴れる日が少ないイメージもあるし、同じヨーロッパでも国民性の違いを感じました。今回、花ちゃんがそんなドイツ人をどう演じるのかなと楽しみです。

花總 いろいろと(森に)教えていただこうと思います。

 この物語では、そんなドイツ人のジャスミンがアメリカの、砂まみれの街に来てしまって、どうなるのかが見どころの一つです。バグダッド・カフェに入ってきた瞬間に、異質な感じがあって、そこからきっとお客さまは引き込まれていくのかなと思います。

-今、森さんからジャスミンについての分析もありましたが、花總さんはジャスミンについてどのように感じていますか。

花總 私はまだつかみきれていないところがあります。せりふがそれほど多いわけではないので、彼女の行動や目線で(人物像を)描いていかないといけないですし、その場にいる人たちを変えてしまうほどの彼女の魅力や不思議さをどう表していくのかが課題だと考えています。きっとたくさん話す人物の方が演じるのは楽だと思うんです。あまり話さないのに明らかにそこにいる人たちと違う空気感を出さなくてはいけないというのは、なかなか難しい。お稽古に入ったら見えてくるものがたくさんあると思うので、今は1人で悩まずに、お稽古場で作っていこうと思っています。

-森さんはカフェの女主人・ブレンダを演じます。

 自分そのままのキャラクターだと思います。私は怒鳴り散らしはしませんが(笑)、知らない人に対してもルール違反をしていたらはっきり言ってしまうタイプなんですよ。新幹線の座席で電話している人がいたら、知らない人でも「デッキで話してくれますか?」と言ってしまったり、喫煙所以外でタバコを吸っている人を見かけたら「ここではタバコは吸えませんよ」って言ってしまうんです。日本人でも海外の人でも。悪気はないのですが、思っていることを全部口に出してしまうので、そういうところはブレンダと似ているのかなと思います。

-「Calling You」をはじめとした楽曲も見どころになると思いますが、楽曲の印象を教えてください。

 アップテンポの楽曲が多い印象ですね。ミュージカルらしい楽曲もあればモータウン系の歌もあるし、バラエティーに富んだ楽曲になっていると思います。

-「Calling You」はすばらしい楽曲ですが、すごく難しい歌ですよね。

花總 キーも低いですしね。

 低いんですよね。

花總 ほかにも魅力的な楽曲が多いので、皆さんに楽しんでいただけるようにお稽古を重ねていきたいと思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「豊臣兄弟!」第18回「羽柴兄弟!」新登場した羽柴家臣団期待の俳優陣【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月14日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=羽柴小一郎長秀/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月10日に放送された第18回 … 続きを読む

佐々木蔵之介「毎朝、亡き大森一樹監督に思いをはせながら現場に通っていました」名監督の遺志を継いで主演に挑んだ時代劇『幕末ヒポクラテスたち』【インタビュー】

映画2026年5月8日

 大ヒット作『ゴジラ-1.0』(23)からNHKの大河ドラマ「光る君へ」(24)まで、幅広い作品で活躍を続ける佐々木蔵之介。その主演最新作が、幕末の京都の小さな村を舞台にした医療時代劇『幕末ヒポクラテスたち』(5月8日公開)だ。中国・唐由来 … 続きを読む

ミュージカル「メリー・ポピンズ」通算250回公演達成! 濱田めぐみ「長く長く上演していけたら」 大貫勇輔「毎公演、奇跡を起こせるように」

舞台・ミュージカル2026年5月5日

 ウォルト・ディズニーが映画化し、アカデミー賞5部門を受賞した映画を原作とした、ミュージカル「メリー・ポピンズ」。現在上演中の日本プロダクションが、5月6日に記念すべき250回公演を迎える。それに先立ち、メリー・ポピンズ役の濱田めぐみと、バ … 続きを読む

三山凌輝、「愛の不時着」でミュージカル初挑戦 「これまでのパフォーマンスの集大成でもある」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年5月3日

 元BE:FIRSTのメンバーで、朝の連続テレビ小説「虎に翼」でヒロインの弟役を演じて話題を集めた三山凌輝が、ミュージカル「愛の不時着」でミュージカル初主演を果たす。韓国の財閥令嬢と朝鮮人民軍軍人の国境を超えた愛を描いた本作は、2019年か … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第16回「覚悟の比叡山」“守られる側”の農民から“守る側”の侍になった小一郎と藤吉郎の覚悟【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年4月28日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=木下小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=木下藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。4月26日に放送された第16回「 … 続きを読む

page top