森公美子、「天使にラブ・ソングを…」は「心の成長を描いたストーリー」 ブロードウェー来日版の上演に「本物に触れていただきたい」【インタビュー】

2024年6月20日 / 08:00

 ウーピー・ゴールドバーグ主演の大人気コメディー映画『天使にラブ・ソングを…』を原作としたミュージカルの来日版、ブロードウェイ・ミュージカル「天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)」が7月3日から上演される。ウーピー・ゴールドバーグ自身がプロデュースし、2009年にミュージカル化が実現した本作は、ロンドン・パレイディアム劇場で初演されると連日スタンディング・オベーションの大ヒットを記録。翌年にはローレンス・オリヴィエ賞4部門にノミネートされ、11年にはトニー賞5部門にノミネートされた。日本には、15年、17年と2度にわたって来日。3度目となる今回の来日公演は、過去2回の来日公演とは異なる新演出と豪華にグレードアップした新しい舞台が特徴となっている。

 今回は、14年の日本版初演以降、主人公のデロリスを演じる森公美子に、来日版の魅力や見どころを聞いた。

森公美子 【写真:源賀津己】(C)エンタメOVO

-デロリスは、森さんのハマり役ですね。14年から5回にわたって演じてこられましたが、これまでの思い出を教えてください。

 日本版では、2014年からデロリスを演じさせていただいていますが、実は最初はどうなるか分からないと思いながら練習していました。ですが、そうしてやっていくうちに、リハーサルを見ていたシスター(役のキャスト)たちが泣いていたんですよ。それを見て、私もこれは絶対にいけるなと思ったことを覚えています。日本ではシスターというのは遠い存在だったので、私たちは修道院に行って、シスターはどういう1日を過ごしているのかを聞いて役作りをしていきました。「シスターはそんなことはしない」と反対されて、なくなったシーンもあったんですよ。たとえそれがエンターテインメントであっても、シスターを描く上では(シスターが)絶対にしない行動をなくしていかなければならなかったので、本当に試行錯誤しながら作り上げた思い出があります。

-森さんがとても楽しそうに演じられている姿が印象的ですが、実はこんな苦労もあったというエピソードは?

 私は年齢のこともありますから、踊るのが本当に大変(笑)。「サンデイ・モーニング・フィーヴァー」という楽曲では、私と春風(ひとみ)さんは息を切らして「もう無理」と言いながら踊っていました(笑)。今回の来日公演は、それほど大きな振りはなかったような気がしているので、これなら私にもできるのかなと思いますが(笑)。

-今回の来日版と日本版の違いや、来日公演の魅力を教えてください。

 以前にLAでナショナルツアーを見ましたが、シスターたちが食事のための机を出したり、片付けをしたりするシーンがとても楽しくて印象に残っています。それから、とにかく最初のコーラスが下手(笑)。もちろん、それはあえてやっていることですが、曲にもなっていないような状態で、みんな好き勝手に歌っていて。日本初演のときは、私たちもそれを引き継いでやっていました。今回の来日公演のカンパニーは、皆さんお上手だったので、洗練されたシスターになっていると思います。それから、これまではとても人種的な話として扱われていましたが、それも変わってきていて、今回の公演ではいろいろな国の方々がシスター役を演じていると聞いています。肌の色がどうではなく、その人間の性格や態度が問題として定義されている。それは、すごく今の時代にあった作り方をしているなと感じました。

-ここは見逃さないでほしいという見どころは?

 私たち日本チームは、あくまでも音楽とストーリーだけをお借りして作っていたので、全て日本スタッフの方たちと作り上げていきました。そういった意味では、来日版はオリジナルの「シスター・アクト」に触れる機会になると思います。ぜひ本物に触れていただきたいと思いますし、その上で、いつかまた帰ってくるかもしれない日本版にも触れていただきたいと思います。来日版は、より分かりやすく、すぐにストーリーに入り込めるものになっていると私は感じています。ステージも豪華。警察のシーンなんて、部屋が一つそのままセットとして作られていますから! 豪華できらびやかなセットも楽しんでいただけると思います。それから、ドレスも美しくて華やかですし、着替えも多いので、それも見どころです。

-森さんがデロリスを演じたからこそ学んだ、デロリスの生き方のすばらしさとは?

 物語を通して、デロリスも修道院の院長も修道院に関わっている人たちも、どんどん人生観が変わっていきます。「神のために歌っていた」というシスターたちが、歌うことの楽しさに気付いて、他の人のためにも歌えると考えるようになり、世界が広がっていきます。それがこの物語の根幹にあると思います。今までの自分を脱ぎ捨てて、目標に向かっていく姿のすてきさを感じてほしいなと思っています。ただ歌っていただけのシスターたちが練習を重ねて、1幕の最後にはガーンとくる歌声を聞かせてくれます。私も何度見てもおおっと思いますし、涙があふれてくるシーンです。この作品は、本当に心の成長を描いたストーリーだなと改めて思います。

(取材・文/嶋田真己)

 ブロードウェイ・ミュージカル「天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)」は、7月3日~21日に都内・東急シアターオーブ、7月24日~28日に大阪・オリックス劇場で上演。

ブロードウェイ・ミュージカル「天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)」


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「ラムネモンキー」「今回は山下達郎の『クリスマスイブ』が効いてたね」「事件の鍵は都市開発にあるのでは」

ドラマ2026年2月26日

 「ラムネモンキー」(フジテレビ系)の第7話が、25日に放送された。  本作は、かつての恩師の失踪事件の謎が3人の大人を再起動させる「1988青春回収ヒューマンコメディー」。反町隆史、大森南朋、津田健次郎主演。脚本は古沢良太氏。(*以下、ネ … 続きを読む

ゴーマン・シャノン・眞陽(まひな)「ブレンダン・フレイザーさんは、心も体も大きな太陽みたいな存在の人です」『レンタル・ファミリー』【インタビュー】

映画2026年2月26日

 東京で暮らす落ちぶれた俳優のフィリップが、レンタル・ファミリーの仕事を通して自分自身を見つめ直していく姿を描く『レンタル・ファミリー』が2月27日から全国公開される。『ザ・ホエール』でアカデミー主演男優賞に輝いたブレンダン・フレイザーが主 … 続きを読む

渡辺大知「僕が演じた駒井という人物そのものがカメラの役割を果たしています」『道行き』【インタビュー】

映画2026年2月23日

 大阪から奈良に移住してきた青年・駒井は、御所市に代々暮らす老人・梅本から購入した古民家の改修工事を進めている。たびたび様子を見に訪れる梅本が語る昔の町や家に流れてきた時間の話が、駒井に大切な風景を思い出させる。『おばけ』でPFFアワード2 … 続きを読む

吉田恵里香氏「寅子の視点では描けなかったものを、どれだけ描けるか」「虎に翼」スピンオフに込めた脚本家の思い「山田轟法律事務所」【インタビュー】

ドラマ2026年2月23日

 2024年に放送されたNHKの連続テレビ小説「虎に翼」。女性として日本で初めて法曹界に飛び込んだ佐田寅子(伊藤沙莉)の歩みを描いた物語は大きな反響を呼ぶと共に、第62回ギャラクシー賞テレビ部門大賞に輝くなど、高い評価を受けた。そのスピンオ … 続きを読む

【映画コラム】2月前半の公開映画から『ほどなく、お別れです』『クライム101』『ブゴニア』

映画2026年2月21日

『ほどなく、お別れです』(2月6日公開)  就職活動に苦戦する美空(浜辺美波)には、亡くなった人の姿が見え、声を聞くことができるという秘密があった。そんな彼女の能力に気付いた葬祭プランナーの漆原(目黒蓮)は、美空を葬祭プランナーの道へといざ … 続きを読む

Willfriends

page top