エンターテインメント・ウェブマガジン
先のことはあまり考えていないです。友達たちが家を建てたり、子どもが生まれたりしているのを見ると、そうした未来を自分が持ったらどうなるんだろうなと考えることはありますが、ただそれはあくまでも人生を豊かにしていく一つのファクターです。そうしたファクターを探し続けていくのだとは思いますが、こうなるために生きている、こうやって生きていきたいということを考えているわけではなく、日々、楽しいと思えたら一番です。そうした中で、この作品は楽しい演劇なので、楽しい瞬間ばかりの公演でした。演劇は、基本的には苦しいことが多いんですよ。9割は苦しみです。でも、苦しむことが仕事ですし、苦しんだ先に楽しさが待っていることも知っています。そこにたどり着いたときに、お客さまからいただける拍手の気持ちよさも知っています。そのときに「今、生きているんだ」という思いになるのもやっぱりそれまでの苦しさがあるからこそです。だから、苦しいことは僕にとって大事なことでもありますし、1割の楽しさのために続けられているのだと思います。
僕にとっての“希望”です(笑)。だって、風間杜夫と白石加代子と柴田理恵がそこにいて、そこで表現しているものが間近で見られるんですよ? 役者を超越した、その人柄で舞台上に立って、お客さんを巻き込んでとりこにするというのは、役者の境地だと思います。その人がそこで生きているエネルギーはどんな表現もかなわない。それを見ることができて、僕が目指している役者の先にこうした人たちがいるということが希望なんです。だから、すごく楽しいです。
舞台にはチーム感を感じます。助け合いの精神がないとできないものなので。始まったら止まれないですし、ミスをしてしまってもそれを思い返して反省する時間はないので、ある意味では“捨てる”作業をしていくのが舞台です。どうしてもミスはあるものですが、それを共演者が助けてくれる。そうやってみんなで作り上げていく感覚も楽しいですし、ライブだからこその緊張感も楽しいです。それから、途切れることなく感情を出し続けていけるというのも魅力です。その一瞬一瞬に集中していると、自分が思いもしなかった感情で終えることがあるんですよ。その日、その回ごとに違うというのも楽しさです。
僕は、観劇をするのも好きなのですが、その人がその空間の中で動いて、泣いたり怒ったり感情をむき出しにして、そこにいる姿を目撃するのが楽しいんですよ。映画やテレビといった映像の中ではなく、その人の温度が伝わる場所であるというのは舞台ならではだと思います。
ご来場くださる皆さんより僕の方が楽しみにしていると思うくらい、ワクワクしています。御三方のパワーや、生きることはこんなにもきらめきのあることなんだということを受け取れる舞台です。まるでアトラクションに乗っているようなスピード感で進んでいくので、一緒になって楽しんで、見届けていただければと思います。どのような年代の方にも楽しんでいただけて、演劇っていいなと思っていただける作品になると思いますので、ぜひお近くにお住いの方は劇場に足を運んでいただけたらと思います。
(取材・文/嶋田真己)
舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~は、10月10日~13日に都内・シアター1010ほか、大阪、愛知、神奈川など、全国13カ所で上演。
公式サイト https://daiyukai.com/

舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~
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