ウィリアム・ユーバンク監督「基本的には娯楽作品として楽しかったり、スリリングだったり、怖かったりというところを目指しました」『ランド・オブ・バッド』【インタビュー】

2025年8月14日 / 12:00

-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。

 2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持たせてくれます。ラッセルは、とてもディテールにこだわる人で、自分が触れるものや小道具などについて、なぜそれに触れるのか、それはどんな役割を果たしているのかと考えるところがあります。また、発する言葉に関しても、それを発する意味を把握したいと。だから一緒に仕事をしていて本当に楽しいんです。この先も彼とのコラボ作品が待機しています。リアムはキニーの成長物語という側面があったので、感情的にどういう変化を遂げていくのかについて話し合いながら一緒に考えました。映画を作っている時は大変でしたが、終わった時は充足感を得ました。2人とも最高でした。

-先ほど『ドローン・オブ・ウォー』の話も出ましたが、危険な場所にいる主人公と無線で対話をするという意味では、『バット21』(88)や『ダイ・ハード』(88)を思い出しました。参考にしたり影響を受けた映画はありましたか。

 まさに『ダイ・ハード』から大きなインスピレーションを受けました。主人公が危険なミッションの場にいて、外側にいる人物がそれをサポートするという構図ですよね。この作品の企画をプレゼンする時に、ゲームを想像みてしてくださいと言いました。支援してくれる誰かは更新の回数が限られている。だからかなり頭を使わないと勝てない。しかも無人機の使える武器はそれほど多くはないので、それをどのタイミングでどう使うのかというゲームのような状況だと説明しました。

-もちろんこの映画はエンターテインメントですけれども、今世界中で紛争が絶えない状況の中で、この映画の意義はどんなところにあると思いますか。

 この映画を作り始めた時、ドローンがどんどん変化していろんなことができるようになり、戦争の仕方も変わっていく中で、もっと表現を変えなければいけないのかと悩んだこともありました。でも、これはあくまでもエンタメ作品だと思ったので、ドローンは物語のツールであり、デバイスだと考えるようにしました。自分は善悪がはっきりしているような90年代のアクション映画が大好きです。もちろん現実を思わせるようなグレーゾーンはこの映画でも描いていますが、基本的には娯楽作品として楽しかったり、スリリングだったり、怖かったりというところを目指しました。なので、あまり現実の世界を思い起こさせるような、あるいはそれに対してコメントするような作品にはしたくなかったというのはありました。

-日本の映画についてのイメージやこれから映画を見る日本の観客に向けて一言お願いします。

 大好きな日本で公開されるのがうれしくてしょうがないし、とても光栄なことだと心から思います。日本の観客には、とにかく楽しんでもらいたいと思います。日本の映画監督といえば、やっぱり黒澤明監督と宮崎駿監督。世界中の全ての映画監督が、この2人から影響を受けていると思います。このレジェンドたちから、きっと気づかないうちにいろいろと盗んでいたり参考にしているところもあると思います。好きな日本映画を1本だけ挙げるなら黒澤の『七人の侍』(54)です。

(取材・文/田中雄二)

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