「細胞たちに心からありがとうって言いたくなるような作品です」芦田愛菜『はたらく細胞』【インタビュー】

2024年12月12日 / 07:00

-父親役の阿部サダヲさんと憧れの先輩役の加藤清史郎さんとの共演はいかがでしたか。

 阿部さんとは久しぶりにお会いしたんですけど、本当の親子のように安心感のある雰囲気を作っていただいて、私の演技を引き出していただきました。清史郎くんとはドラマ「最高の教師」で共演した時は敵対する役でしたが、今回は恋人同士で…。だから「ちょっと面白いね」なんて話をしたりして、和気あいあいの感じで撮影をしました。

-武内監督の印象は?

 先に細胞パートを撮影されていたので、「細胞たちはこんなふうになっていたんだよ」とか、「このシーンはこういう風に撮影して、こんな感じでみんな頑張って体の中で戦ってくれていたんだよ」なんて話をしてくださったので、演じる時にとてもイメージがしやすかったです。監督の別の作品も本当に面白くて、大好きなものがたくさんあります。今回は『はたらく細胞』という作品自体もすごく好きだったので、その中の一員になれることがうれしかったですし、監督と一緒に演技をさせていただけるのも楽しかったです。

-自分が病気になる役についてどう感じましたか。

 そういう役を演じているので、そのことについてはそんなに抵抗はありませんでした。むしろ自分は、見てくださる皆さんが感情移入しやすいような形がいいと思うタイプなんですけども、一緒に試写を見てくださった周りのスタッフさんとかマネジャーさんが「悲しくなる部分があった」と、すごく感情移入してくださったのがうれしかったです。

-体内パートとは別撮りだったと思いますが、体内パートをやってみたかったと思いましたか。

 参加させていただけたら楽しそうだなという気持ちはありました。少しうらやましかったです。

-やってみたい役はありましたか。

 皆さん本当に役にぴったりだったので…。でもマクロファージ先生(松本若菜)がすごくかっこいいなと思っていて。細胞の役割としても、ある時は殺し屋だったり、ある時は清掃員だったり、またある時は学校の先生だったりと、いろんな面を持っていて、すごくかっこいいキャラクターなので憧れます。

-完成作を見た感想を。

 細胞パートが、アクションシーンもたくさんあって自分が想像していた100倍すごかったです。もちろんいろいろとイメージしながら演技をしたんですけど、日胡ちゃんの体内が予想以上に、こんなに大変なことになっていたんだというのが衝撃的でした。でも、本当に笑いあり涙ありでとても面白くて。最後の方の日胡ちゃんのせりふにもあるように、本当に細胞たちに心からありがとうって言いたくなるような作品だと感じました。細胞たちがいつもこんなに頑張ってくれていることを知って、細胞たちへの感謝の気持ちでいっぱいになりました。見てくださる皆さんも、そんなふうに感じていただけたらうれしいです。

-最後に、映画の見どころや芦田さんからのメッセージを。

 本当に学びながら見ることができるというか、学んでいればいるほど、本当にぴったりで、びっくりさせられるんです。こんなふうに体の中で起こることを面白おかしく、でもきちんと描いている点がすごくすてきだなと思いますし、アクションシーンもたくさんあって大迫力です。ちょっと風邪を引いたり、どこかにぶつけてしまったら、細胞たちに「ごめんね」って気持ちになったりするので、皆さんにもそんなふうに思っていただけたらと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)清水茜/講談社 (C)原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 (C)2024 映画「はたらく細胞」製作委員会 (C) 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.  IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation.

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『盤上の向日葵』(10月31日公開)  信州の山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界にすい星のごとく現れた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)であることが判明。 … 続きを読む

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

-本作では主演の髙石さんの持ち味が存分に発揮されている印象ですが、共演の感想はいかがですか。  高石さんは、せりふなのか、素で笑っているのか、最初の頃はわからなかったくらい、お芝居が自然でなじんでいる感じがあります。それくらい、ご本人が面白 … 続きを読む

阿部サダヲ&松たか子、「本気でののしり合って、バトルをしないといけない」離婚調停中の夫婦役で再び共演 大パルコ人⑤オカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年10月31日

-今回演じるそれぞれの役柄については、今はどのように捉えていますか? 阿部 ミュージカル俳優という役柄です。離婚したいと言っていますが、ずっと裁判をしているので本当は嫌いじゃないんでしょうね。最後は優しくなるんですよ。 松 そんなところまで … 続きを読む

高杉真宙「見どころは、何よりも坂口健太郎さんと渡辺謙さんの演技だと思います」『盤上の向日葵』【インタビュー】

映画2025年10月30日

-今後はどんな役をやってみたいと思いますか。  自分が選ぶよりは選ばれる仕事なので、自分からこの役をやりたいというのはないのですが、寡黙な役だったら、せりふは覚えなくていいのかなと(笑)。でもそれはそれで大変ですから、どんな役でもやりたいで … 続きを読む

Willfriends

page top