エンターテインメント・ウェブマガジン
「ミステリーの女王」と呼ばれる推理小説家アガサ・クリスティーが1944年に発表した長編小説を原作とした舞台、ノサカラボ「ゼロ時間へ」が10月3日から東京・三越劇場ほかで上演される。ミステリーを専門に舞台を制作しているノサカラボの代表であり、これまでも数々のミステリー作品を手がけてきた野坂実氏が演出を務める本作は、ある貴族の邸で起こった殺人事件を解き明かしていくストーリー。主人公の資産家でプレイボーイのネヴィル・ストレンジを原嘉孝、ネヴィルの最初の妻・オードリーを紅ゆずるが演じる。紅に本作への意気込みや役作りについて、さらには紅自身の「ゼロ時間」(スタート地点)について聞いた。

紅ゆずる (C)エンタメOVO
当時、私が最初に感動したのは、お芝居が終わった後に野坂さんからとても細かく、丁寧なノート(ダメ出し)があったということでした。演者は何人もいる中、演出家お一人なのに、昨日と今日の違いについても言及いただき、しかもそれがとても的確なんです。私たちの意見を聞きながらも、こうすれば良いと明確に答えてくださるので、お芝居することがものすごく楽しいと思いました。なので、こうして再びノサカラボに出演できることがうれしいです。
本当にミステリーは難しいですね。(「ホロー荘の殺人」を上演した)東京三越劇場は、お客さまとの距離がものすごく近いので、(観客が)嘘だと感じたら興ざめしてしまうんですよ。うそがすぐにバレてしまう距離感なので、どれだけリアルにお伝えできるのかということを大事にしました。
そうですね。もちろん、全てが難しかったですが(苦笑)。「リアルを目指す」ということ自体がうそだという感じがしてしまうので、何が正しいんだろうと。今回も模索したいと思います。
ミステリーではあるけれども、人間関係のもつれを描いた作品だと思いました。(原作の)アガサ・クリスティーは、どのようにその殺人を行ったかという手口よりも、人間模様や人間関係を多く描く作家さんだと思います。野坂さんも人との関わりを大切に描かれているので、原作をさらに凝縮してお見せするという作品になっていると思います。それから、伏線が多数張られている作品ですが、関係ないと思うようなことも実は伏線で…ということがたくさんあるんですよ。全員が犯人っぽいというミステリーはよくありますが、この作品はそうではなく、全員が核心に触れていない。殺人なんか起こりそうにない空気の中、起こるんです。核の部分を全員が避けているような感じがして、犯人を明かしてくれないと犯人が誰か分からないままだと感じる作品でした。
控えめな女性という印象です。ただ、控えめに見えるけれども、本当はそれほど控えめではないのかなとも思います。ネタバレになってしまうので、あまり詳しくは言えないのですが、自責の念に駆られるタイプの人だと思うので「私が我慢すればいい」「私が悪かったんだ」という考え方をして自分でなんとかしようとする。それを淡々としているように見えるので、感情を表に出さず、落ち着いた人だと思われがちですが、決して感情がないわけではなく、暗いわけでもないんだと思います。
映画2025年11月11日
何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む
ドラマ2025年11月10日
草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む
ドラマ2025年11月9日
日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」への出演発表時、“物語の鍵を握る重要な役どころ”という情報のみだった目黒蓮演じる謎の人物。そこから約2カ月、11月2日放送の第4話でようやくその正体の一端が解禁された。男の名は中条耕一、佐藤浩市演じる山王 … 続きを読む
映画2025年11月6日
三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む
映画2025年11月1日
『爆弾』(10月31日公開) 酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。 やがてその言葉 … 続きを読む