伊野尾慧、「新しいことに挑戦したい」 ミュージカル初出演で見せる新たな一面【インタビュー】

2024年3月20日 / 08:00

コメディーの要素が強い作品ですが、コメディーという視点から台本を読んでどう感じましたか。

 テンポがあって面白いなと。最初にタイトルを見たときは、恋愛ものだからお相手の方とのシーンが多いのかなと思ったんですが、台本を読んでみるとほとんど、結婚相手のベッツィとは一緒にいないんですよ。それは驚きでした。

では、そんな作品の中で、ジャックという役柄をどう演じたいと考えていますか。

 自分で決め込んで稽古に行くよりも、演出家さんの考えを聞いて、実際に稽古をしながら作っていけたらと思っています。

ところで、今回、これまで挑戦していなかったミュージカルに挑戦しようと思った決め手は何だったのですか。

 いろいろありますよ。例えば、一番やらなそうだから。誰もこのタイミングで、急にミュージカルをやるとは思っていないだろうなと思って(笑)。新しいことに挑戦したいということもありますね。

初めてのことに挑戦するこの環境はワクワクしている?

 不安もありますし、きっと大変なことも多いとは思います。ただ、年齢を重ねていくと、新しいことに挑戦する機会はどんどん減っていってしまうので、それを30代になってもまだ経験できるというのはありがたいことだと思います。楽しめるように頑張ります。

9年ぶりの舞台出演ということについては、どんな思いがありますか。

 9年前は、まだお芝居がどういうものかもほとんど分かっていない状態だったので、難しさはもちろん、お芝居の楽しさもなんとなく感じていたくらいでした。今回は、そのときよりは分かっていることも多いので、楽しみも大きいですし、それと同じくらい大変なこともあると思います。

Hey! Say! JUMPのメンバーの皆さんには、何か相談したりはしたのですか。

 相談ではないですが、ミュージカルには薮(宏太)や高木(雄也)が出ているので、(彼らが伊野尾のことを)気にかけてくれているような気はします(笑)。(今作にも出演する)岸祐二さんと薮は共演したことがあったようで、そのときのことを話してくれたりしたので、心配はしてくれているのだろうなと思います。

本作はラスベガスを舞台にした物語ですが、ラスベガスには行ったことがありますか。

 ありますよ。大掛かりなショーがあったのが印象に残っています。本当は、このミュージカルが始まる前にラスベガスにカジノをしにいかなくちゃと思っていたんです。映画を見たり、何かをするよりも、まず、ラスベガスに行ってカジノをやるというのが役作りに1番重要だと思ったから(笑)。やっぱり空気感を知っておかないとでしょう?(笑)。行けませんでしたが。

もし、ラスベガスに行けたら、劇中のようにポーカーをやりますか。

 やる、やる。これ、役作りのためですよ! あくまでも役作り(笑)。だから、どれだけ負けても仕方ないよね(笑)!

では、タイトルに付いているもう一つの言葉、「ハネムーン」の印象は?

 えー、まだ行ったことないからな(笑)。

もし、行くとなったらどこに行きたいですか。

 全然イメージが湧かない(笑)。でも、新婚旅行に行けるということ自体が幸せだろうなと思います。きっとみんな、お互いに仕事をしているだろうから、スケジュールを合わせるのも大変だろうと思うので。

旅行はお好きなんですか。

 好きですよ。この間も、男友達3人で温泉に行きました。昔は、バイクに乗ってどこかに行こうとか、ちょっとアクティブに動いていましたが、今は、おいしいご飯を食べて、温泉に入って、すぐ寝る(笑)。お酒を飲んで、すぐ寝ちゃう。それで、翌朝、早起きして、朝ごはんを食べるという楽しい旅でした。

本作では、主人公のジャックが母親から「結婚をしないで」と言われたことが発端となってストーリーが展開していきます。伊野尾さんが、両親から言われて今でも印象に残っている教えはありますか。 

 子どもの頃はいろいろとありましたが、30代になると親から言われたことというのは、自分の中では0になったような感覚があります。親の教えって、子どもの頃の人格形成に少なからず影響を与えるものだと思います。だからこそ、大人になっても、それに縛られてしまうことが、良くも悪くもある。ただ、今の僕は親が決めたルールよりも、自分が出合った出来事などによって自分の価値観やルールができている気がします。もちろん、僕も人格形成の上でベースになっているのは、両親の教えだろうなと思います。でも、それが歳を重ねるごとに徐々に薄れてきて、自分の中の好き嫌いや良い悪いが基準になってきているような気がしています。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 ブロードウェイミュージカル「ハネムーン・イン・ベガス」は、4月9日~29日に都内・東京建物Brillia HALL、5月6日~19日に大阪・SkyシアターMBSで上演。

ブロードウェイミュージカル「ハネムーン・イン・ベガス」

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

-お芝居に悩んだり、難しさを感じたりすることはありませんでしたか。 前田 たくさんあります。でもその都度、松井監督と相談しながら進めていきました。迷ったときは、松井監督を信じればいい、という信頼関係が出来上がっていたので。 窪塚 松井監督は … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

-ルンメイさん、夫・賢治役の西島秀俊さんの印象はいかがでしたか。 ルンメイ 今回西島さんと一緒にお仕事ができたことはとても光栄でした。西島さんは経験豊かな方なので、私は現場でとても安心して演技をすることができました。西島さんがいろんなエネル … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

-小学生の頃、絵画教室に通われていたそうですが、演じる上で役立った部分はありますか。  僕は子どもの頃から、絵画教室に通ったり、自宅では粘土で架空のモンスターを作ったりしていました。そういう創作を楽しむ部分は、嵩に通じるものがありました。前 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

-なるほど。そうして前に進んだ先に、どんな未来をイメージしていますか。  先のことはあまり考えていないです。友達たちが家を建てたり、子どもが生まれたりしているのを見ると、そうした未来を自分が持ったらどうなるんだろうなと考えることはありますが … 続きを読む

Willfriends

page top