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お父さん(役の堤真一)が道の駅で野菜を買ってきていたので、「何を買ったんですか?」「とうもろこしだよ」みたいな話をしたり(笑)。お兄ちゃんたち(中島健人と中島歩)は音楽が好きなので、音楽の話をすることが多かったですね。
堤さんは、ものすごく“お父さん”という感じでした。普段、関西弁を話されるのですが、少し荒っぽい感じでお話しされるのも、不器用そうなところも、“お父さん”という感じがしました。ただ、お芝居をすると威厳があって、怖いところも理不尽なところもあるけれども尊敬できる“お父さん”でした。堤さんも中島さんも、それぞれの役の役目を担って、そこにいてくれた気がします。だから、役のイメージとご本人の印象がそれほどかけ離れていないんですよ。(中島健人が演じた)晄司は年子や双子のような距離の近さを感じさせてくれるお兄ちゃんでいてくれて、カメラが回っていなくてもその現場にいる時間全てが作品につながっているような感覚がありました。それは、彼らの配慮であり、技術であると思っています。
すごく面白かったです。撮影中は切なくて、苦しくて、自分のことをふがいないとずっと思っていましたが、いざ映像になったものを見てみると、ワクワクする映画になっていて、初めて自分のシーンで涙が出るという経験もしました。それ以上に巧みな編集と音楽と映像のギミックがあって、まるでジェットコースターに乗っているような気分でした。
ジョルジュ・サンドの『愛の妖精』という作品です。双子の物語を主軸とした作品ですが、私はそこに出てくる見た目が衛生的に汚いと言われて仲間外れにされている女の子が大好きなんです。薬剤師であるおばあちゃんと一緒に住んでいるせいで、魔女の娘と言われてしまいますが、本当は誰よりも信心深くて、心がきれい。双子の兄弟は、彼女と触れ合うことでそれを少しずつ理解していくという、シンプルだけど絶対に忘れてはいけないことが描かれている作品だと思います。見た目に惑わされないできちんとその人を見て、尊敬したり敬ったりする気持ちを大事にしたいと思わせてくれます。今も心を洗いたくなったら読む作品です。
特にダイエットをしているわけではないんですが、この間、風邪をひいてしまったときに、朝昼夜とステーキを食べました(笑)。風邪をひくと、とにかくお腹が空くんです。それで、サラダも食べず、とにかくステーキ(笑)。その翌日も吉野家で牛丼を食べて…風邪をひいた1週間くらいは、毎日がチートデーのような食生活を続けていました。すごく罪悪感があったので、それを告白させてください(笑)。
これからどんなことが起こるか分からないので、断定はしたくないと思いますし、自分が数年後に何をしていたいかを明確に考えているわけではないですが、その都度自分ができる範囲で人の役に立つことをしていけたらいいなと思っています。決して引退宣言ではないですが、私は表現することだけが人の役に立つことだとは思わないんですよ。今、自分が手にしているもので最大限力になれることはなんだろうと考えたときに、表に出ることだというだけであって、世の中が変わればまた別の形で力になれるように勉強し続けることが大事だと思っています。
感動的な話ができればいいのですが、本音を話せば…“世田谷ベース”を作りたいという思いです(笑)。だから頑張って働いていますし、それが直近の目標です。家族や動物たちのために、おもちゃ箱みたいな場所がほしいなと思っています。
(取材・文・写真:嶋田真己)
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