池田エライザ、母親役を演じて感じた母性「愛おしい時間でした」 映画『おまえの罪を自白しろ』【インタビュー】

2023年10月18日 / 08:00

 俳優、歌手、ファッションモデル、映画監督、タレントと多方面でその才能を見せる池田エライザ。20日から公開される映画『おまえの罪を自白しろ』では、娘を誘拐されてしまう、政治家一族の宇田家の長女・麻由美を演じる。池田に本作での役作りや撮影現場のエピソードについてなどを聞いた。

池田エライザ (ヘアメーク:豊田健治/スタイリスト:Shohei Kashima(W) (C)エンタメOVO

ー本作は、政治家一族の孫娘が誘拐され、犯人から身代金ではなく「記者会見を開き、おまえの罪を自白しろ」という要求をされるタイムリミットサスペンスです。最初に脚本、または原作を読んだときの率直な感想を聞かせてください。

 どの役を演じるのかを分かった上で読んだので、自分の娘が誘拐されてしまったという喪失感を感じて、すごくドキドキして、苦しくて、手も震えて…でも、読み進めずにはいられず、とてもしんどかったのを覚えています。

ー最初からかなり役に感情移入できていたのですね。

 そうですね。事前にこうした役どころだということを聞いて読み始めたら身構えていたかもしれませんが、役名だけを聞いて読み始めたので、身構えることなく読むことができました。もちろん本の構成もすばらしいですし、麻由美についても物語の中でとても丁寧に描かれていることが伝わってきましたし、彼女の痛みを感じながら読みました。

ー役作りにおいては、娘を誘拐されてしまったという気持ちをどのように自分の中に落とし込んでいったのですか。

 私は、子どもを産まないと母性を感じられないわけではないと思います。ただ、産んだ経験がある方は共通する何かを持っているとも感じています。そういう意味で、自分は子どもを産んだ経験がないからこそ、分からないところはあるとは思います。役作りという意味では、クランクインまでの間に、メークさんが連れてきていたお子さんを観察したり、自分の母親を観察したりして役を作る助けにはしていましたが、何よりも自分の中からあふれる母性がつらくて仕方なくなるくらいだったので、その気持ちを大事にしました。

ー実際に母親役を演じてみて、どんなことを感じましたか。

 私が感じている思いを人に伝えるためには、“事実”を作っていかなければいけないと思ったので、現場にいるときは(佐藤恋和が演じる娘の)柚葉の愛しい部分をたくさん見つけていました。そもそも、柚葉はすごくラブリーな子なので、話しているのも楽しかったですし、大切な時間を積み重ねられたと思います。お家のセットの中に柚葉が描いたであろう絵が飾ってあったので、そうしたものを一つ一つ宝探しのように見つけて、触れて、自分の中で記憶を作っていって、思い出を構築していく時間を作品が始まってからもずっとやっていました。でも、それは決して苦ではなかったです。すごく愛おしい時間でした。

ー今作を通して、役者として新たな発見はありましたか。

 今回、待機している時間に、家族(役のキャスト)みんなで畳の上で過ごして、お話をすることが多かったんですよ。都心から離れた場所でロケをしていたということもあると思いますが、つながりを感じることができて、そうした空間はすごく大切なんだなとより感じました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

 3月31日から放送スタートしたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった朝田のぶと柳井嵩(北村匠海)の2人が、数々の荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『 … 続きを読む

坂本昌行&増田貴久がミュージカルで初共演「笑顔になって、幸せになって帰っていただけたら」 ミュージカル「ホリデイ・イン」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月1日

 坂本昌行と増田貴久をはじめとした豪華キャストが出演するミュージカル「ホリデイ・イン」が4月1日から開幕する。本作は、1942年に公開された映画『Holiday Inn』(邦題『スウィング・ホテル』)をもとに舞台化されたミュージカル作品。「 … 続きを読む

藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月29日

 2024年5月にスタートした、吉田鋼太郎が芸術監督を務める【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】。待望の二作目となる「マクベス」が、藤原竜也を主演に迎え、5月8日から上演される。藤原に初めて挑む「マクベス」への思いや吉田とのクリエイトに … 続きを読む

竈門炭治郎を演じる阪本奨悟が語る、舞台「鬼滅の刃」の魅力 「生身の人間が演じているからこそ、リアルに共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月28日

 「週刊少年ジャンプ」で2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴による大ヒット漫画『鬼滅の刃』。2020年に初めて舞台化されて以降、シリーズを重ね、4月11日からはシリーズ5作目となる、舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里が上演される。 … 続きを読む

【週末映画コラム】何と主人公がサル!? 新たな試みの音楽伝記映画『BETTER MAN/ベター・マン』/17回死んでは生き返った男の悲喜劇『ミッキー17』

映画2025年3月28日

『BETTER MAN/ベター・マン』(3月28日公開)  イギリス北部の街に生まれ、祖母の大きな愛に包まれながら育ったロビー・ウィリアムズ。1990年代初頭にボーイズグループ「テイク・ザット」のメンバーとしてデビューし、ポップスターの道を … 続きを読む

Willfriends

page top