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「VIVANT」が放送された後は、たくさんの記事で取り上げていただき、とてもありがたかったです。(西岡は)2話から登場したのですが、いい人に見えて、実はバルカ共和国の外務大臣・ワニズにノーが言えない、弱い立場の大使でした。その微妙な表情を表現するのが難しかったです。というのも、この作品は、見終わったらまたもう1回見たいと思う方が多い作品だと思ったんです。きっと何度もリピートして見てくださる方がいらっしゃるから、1回目に見た時は気付かなかったけど、2回目には新たな発見をしてもらえたらと思っていました。それで、「こういうふうに演じていたんだ」とか「ここでこんな表情をしているな」とか、「実はここでワニズと電話で話していたんだ」など、ストーリーが分かってから見ても面白く見てもらえるように、どちらにでも転がるような見え方をしたいと思って演じていました。監督にも何度も確認しながらお芝居をした作品でした。
10話で堺(雅人)さんと阿部(寛)さんが私に詰め寄るというシーンで、堺さんがぶつかりそうなくらい顔を近づけて演技をされたんですよ。お互いに絶対に目線を外さないという強い表情で見合っているシーンだったのですが、そのシーンを演じた時に「ああ、日曜劇場だな」とすごく感じました(笑)。いい緊張とすてきなお芝居で、お二人に詰めよられてワクワクしましたね。
映像の場合、1日のうちの数時間でそのシーンが終わってしまうので、それをもう2度と演じることはないんですよ。舞台の場合、稽古があって、千穐楽まで何度も同じお芝居ができるので、その中でどんどん成長していくのですが、映像はそうした長い時間をかけて成長する場がありません。自身で考えた役作りや、相手との呼吸、相手がどのようなお芝居をするのかという中で、何を感じて、役としてどう表現するのかを本当に短い時間で感じとって考えて、答えを出さなくてはならない。それはとても難しく、大変なことですが、同時に面白いところでもあります。そこに集中すると、自分がどう演じたのか、自分でも分からない時があるんですよ。それは、段取りでも計算でもなくて、突然何かがワッと出てきたような感覚、それが何なのか自分でも分からない。その自分でも思いがけないものが出るというのは、映像でのお芝居の魅力の一つでもあると思います。
それは1番難しい質問ですね(苦笑)。私は、これまでも与えられたものを必死でやってきた31年だったので、こうしたい、ああしたいという思いはあまりないんです。自分の要望を伝えたのは、昨年のライブが初めてだったかもしれません。もちろん、すてきな作品に巡り合いたい。すてきな共演者、監督と一緒にお仕事したいという漠然とした気持ちはありますが、うーん、やりたいことがあるような、ないような…。欲がないのかしら。これからは欲深く生きていこうかな(笑)。
そうですね。役を通して誰かを演じるのではなく、素の姿を皆さまにお届けして、より深く私を知ってもらえる場になると思います。お酒を飲みながら、すてきな演奏に身を委ねて、楽しいひと時を過ごしていただけたらいいなと思っています。
(取材・文/嶋田真己)
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