檀れい「幼い頃の私が感じたドキドキやワクワクを、今度は私がお届けしたい」 スペシャルライブで見せる素の姿【インタビュー】

2023年10月10日 / 11:30

 宝塚歌劇団の月組と星組でトップ娘役をそれぞれ務め、退団後は映画、ドラマ、舞台などで多彩な才能を発揮してきた檀れい。堺雅人が主演を務めたTBS7月期ドラマ 日曜劇場「VIVANT」では、大事な局面を動かす駐バルカ共和国・日本大使の西岡英子を演じ、大きな話題を呼んだ。そんな檀が2022年の初のワンマンライブに続き、今年もスペシャルライブを開催する。檀にライブの見どころや意気込み、さらには「VIVANT」の裏話などを聞いた。

「檀れい Special Live 2023 Rose」

ー2022年に初舞台から30年を記念して、初のワンマンライブを開催しました。実際にライブを行ってみて、どのようなことを感じましたか。

 30周年ということもあり、構成や選曲を全て自分自身で行ったライブでした。自分のことは自分が一番よく分かっているので、自分で考えたいと思っていたのですが、お客さまに喜んでもらえるのだろうかと、初日は本当にドキドキしました。ですが、始まって2曲歌って、MCをした頃から無性に楽しくなってしまって、私自身が大丈夫、これでいいんだと感じることができたんですよ。みんな私のライブを見るために、こうして時間を作って集まってきてくれているんだと思ったら、変に気負わずに、とにかくこの時間と空間を共に楽しもうと感じられたんです。そうしたら、急に楽しくなってしまって。そこからはワクワクしながらショーをやらせていただきました。

ー30周年までライブを行っていなかったのは、何か理由があったのですか。

 宝塚を退団してすぐに『武士の一分』という映画の撮影に入らせていただいたのですが、そこで今まで舞台でしてきたお芝居と映像のお芝居はまったく違うものだと感じたんです。それで、せっかくなら、それまで宝塚でやってこなかったことや新しいことにチャレンジをしたいと思い、映像のお芝居というのはどういうものなんだろうっていうのを自分の中で勉強したくて、映像中心にやってきたということがありました。

ーなるほど。その中で、ライブを開催してみようと思うに至ったのはどういった理由からですか。

 それまでも舞台作品の中で役として歌うことはあったのですが、自分がライブをするなんて考えたことはなかったんです。ですが、2022年に「題名のない音楽会」から、「東京フィルハーモニーオーケストラの皆さんの演奏で歌を歌ってみませんか」というオファーをいただき、そこで久しぶりに歌わせていただいたら、宝塚時代に音に包まれてステージに立っていた感覚がよみがえってきたんですよ。生の音楽ってすばらしい、また歌が歌いたいと、そのときに強く思い、ちょうど30周年だったこともあり、ライブという形になりました。

ーそうすると、今回のライブは、昨年のライブからつながっているものなのですね。その2022年のライブは、「Ray 光/虹」というサブタイトルが付いていましたが、今年は「Rose」です。タイトルに込めた思いを聞かせてください。

 私の好きな花の1つがバラの花なので「Rose」というタイトルをつけさせていただきました。それにちなんでバラの歌ばかりを歌うというわけではなく、私が好きなこと、好きな人に関する曲をいっぱい集めた内容になっています。

ー具体的には、どのようなセットリストを考えていますか。

 私の好きな人、オードリー・ヘプバーンにちなんだ楽曲、それから私の大好きなディズニーの楽曲を考えています。『リトルマーメイド』の中で、アリエルが陸の世界に憧れて歌う「パート・オブ・ユア・ワールド」という楽曲が、宝塚の下級生だった当時、私の気持ちとすごくリンクしていて、大好きでした。宝塚には入ったけれども、まだまだ何もできなくて、自分自身どうしたらいいんだろうと模索しながらも、光が当たるエンターテインメントの世界で輝きたいと思っていた自分と、陸に憧れ、砂浜を歩きたいというアリエルの思いが、重なって見えたんです。今回は、そうしたお話をしながら歌いたと思っています。

ー今回もライブの演出を檀さん自身が手がけているのですか。

 曲を選んでセットリストを考えたり、MCでどんなお話をするか、それからどんな照明にするかを話し合ったり、ドレスのデザインをスタイリストさんに相談したりしています。今はとにかく見に来てくれたお客さまに楽しんでいただけたらという思いでいっぱいです。私自身、幼い頃に子ども向けの海外の映画を見て、ドキドキワクワクしたのがこのお仕事を目指したきっかけでした。なので、幼い頃の私が感じたドキドキやワクワクを、今度は私がお届けしたい。そして、私自身も楽しめるライブにしたいと思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

井内悠陽「自分を貫くことは大切。でも、時には柔軟性も必要」 映画『爆上戦隊ブンブンジャー』で映画初主演を飾る20歳の新星【インタビュー】

映画2024年7月27日

 7月26日から公開中の『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』は、テレビ朝日系で大人気放送中のスーパー戦隊シリーズ第48作「爆上戦隊ブンブンジャー」初の劇場版だ。本作でブンブンジャーのリーダー、ブンレッド/範道 … 続きを読む

田中真弓「70歳、新人のつもりで頑張っています」憧れだった朝ドラレギュラー出演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

ドラマ2024年7月26日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。新潟地家裁三条支部に赴任し、娘・優未(竹澤咲子)と2人だけの暮らしに苦労する主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)を助けるため、かつて花江(森田望智)の家で女中として働き、第7週で故郷の新潟に帰った稲が … 続きを読む

真彩希帆、憧れの「モーツァルト!」でコンスタンツェ役 「この作品を見に来て良かったと感じていただきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年7月26日

 「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”の35年の生涯に迫る、ミュージカル「モーツァルト!」が、8月19日から帝国劇場にて上演される。2002年の日本初演以来 … 続きを読む

【週末映画コラム】歴史の「if」を描いた2本『もしも徳川家康が総理大臣になったら』/『お隣さんはヒトラー?』

映画2024年7月26日

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(7月26日公開)  新型コロナウィルスがまん延した2020年。首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死した。かつてない危機に直面した政府は、最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活 … 続きを読む

鈴木梨央「特撮映画の魅力を実感しました」子役時代から活躍してきた若手俳優が、ファンタジー映画に主演『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』【インタビュー】

映画2024年7月25日

 高校生の時宮朱莉は、謎の男・穂積(斎藤工)と出会い、特殊美術造形家だった亡き祖父・時宮健三(佐野史郎)が制作を望んだ映画『神の筆』の世界に入り込んでしまう。怪獣ヤマタノオロチによって、その世界が危機にひんしていることを知った朱莉は、同級生 … 続きを読む

Willfriends

page top