武田真治、50歳を迎え心境に変化 「自分は人さまよりも健康な50歳だ、などというおごりがないようにしたい」【インタビュー】

2023年3月16日 / 10:00

 井桁弘恵が主演するドラマ「自由な女神-バックステージ・イン・ニューヨーク-」が、毎週土曜午後11時40分から東海テレビ・フジテレビ系で放送中だ。本作は、井桁が演じる地味な田舎女子・サチが、伝説のドラァグクイーン・ク―ルミントと出会い、人生が180度真逆に動き始める上京物語。本作でク―ルミント役を演じている武田真治が、本作の魅力や役を演じた感想、さらには自身が故郷から上京したデビュー当時の思いや、50歳という年齢を迎えた心境を語ってくれた。

武田真治(カメラマン/池田正之、スタイリスト/伊藤伸哉、ヘアメーク/堀江万智子)

-クールミントは、主人公のサチや多くの悩める人の人生を変えていくキャラクターですが、今回演じるに当たって準備したことや工夫したことはありますか。

 外見的には、昨年、右足のかかとを骨折して、習慣になっていたジョギングから遠ざかっていたので、ジョギングを再開して体を絞ったり、筋肉量を増やしたりとビジュアル的な工夫をしました。内面的には、クールミントは人の弱い部分に寄り添う現代のロックスターのような人だなと思って演じました。強さだけでなく、弱さもあって、主人公のサチと一緒になって成長していくところが魅力だと思っているので、決して上から目線にならないように、勢いがある中にも優しさみたいなものが込められたらなと思って演じました。

-現代のロックスターというのは、どのようなイメージでしょうか。

 僕が20代後半の頃に、伝説のロックスターの忌野清志郎さんと一緒に時間を過ごさせていただいた時期があったのですが、僕の中では清志郎さんのことを思いながら、クールミントを演じた部分があります。清志郎さんは、僕が体調を崩して心身共に折れてしまった時期に出会った不思議な方で、ちょっとしたことでつまづいて自分の夢を完全に諦めてしまっていた自分を、またステージに連れ出して、自分がいるべきところに連れて行ってくれた恩がある方なんです。僕は清志郎さんに恩返しができなかったので、この役を通じて、自分が清志郎さんにしていただいたことを若い人に伝えることができたらなという思いがありました。

-ドラァグクイーンの扮装(ふんそう)になると、気分は変わりますか。

 ダンスパフォーマンスのシーンは、照明を当てていただいて、音楽が流れて、観客役のエキストラの方がいて…という状況を作っていただいた中でノッてできたのかなと思います。第3話のクライマックスシーンは、和歌山で開催された東京ガールズコレクションのランウェーをお借りして撮影したのですが、観客5500人の前でダンスバトルをしたら、すごく盛り上がったので年がいもなくテンションが上がってしまいました。第3話は、ぜひ注目していただきたいです。

-武田さんは、17歳のときに故郷の北海道から上京して鮮烈なデビューを果たしましたが、当時の状況を振り返って、今回の物語のサチの姿に共感する部分はありましたか。

 はい。僕が上京した90年は、80年代後半から続くバブル期で、テレビで見る東京はキラキラしていて、海外のニューヨークやロサンゼルスよりも憧れの街であり、自分にとってはもっとも遠い街という印象でした。実際に東京に来てみて、サチがクールミントに出会うように、僕もいろんな人たちに出会うことができました。自分が生まれ育った環境とはまるで違う東京のスピードや華やかさ、規模。その全てに面食らって心が折れそうになる気持ちもよく分かりますし、自分を見失ったり、自信をなくしてしまいそうになることも、当時を振り返って、すごく共感しました。

 
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