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「舞いあがれ!」ヒロインと幼なじみの3人が仲良しトーク「おじいちゃん、おばあちゃんになっても仲良くしたい」福原遥&赤楚衛二&山下美月【「舞いあがれ!」インタビュー】

 NHKで放送中の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。空に憧れるヒロイン岩倉舞の幼少期を描いた第3週までが終了し、10月24日スタートの第4週からいよいよ福原遥演じる成長した舞が本格的に活躍する。その放送を前に、舞の幼なじみ、梅津貴司役の赤楚衛二、望月久留美役の山下美月を加えた3人が、仲良く撮影の舞台裏を語ってくれた。

(左から)山下美月、福原遥、赤楚衛二

-まずは、赤楚さん、山下さんから見た福原さんの印象を聞かせてください。以前、話を伺った制作統括の熊野律時さんが「福原さんを中心に暖かな日だまりができ、そこにみんなが集まって、ニコニコおしゃべりをしながらお茶を飲んでいるような空気感がある」とおっしゃっていましたが、いかがでしょうか。

赤楚 すてきな例えですよね。本当に日だまりのような感じです。初めて会った瞬間から、「構えなくていいな」という感じがあって。こうして同じ空気感でいられるのも、最初に福原さんがその空気感を作ってくれたおかげですし。撮影が始まって半年ぐらいたつけど、しんどい顔一つ見せず、毎日笑顔で「元気です」と言う姿を見ると、頼もしさも力強さも感じます。だから、僕も舞ちゃんを見守る貴司のような気持ちになってしまって。

山下 最初に台本を頂いたとき、自分の中で「舞ちゃんは、こんな子なんだろうな」って、なんとなくイメージしていたものがあったんです。そうしたら、初めてお芝居をした瞬間から、「舞ちゃんだ!」と思えるぐらい、そのまんまな感じで。いつも笑顔で、一緒にいると自分も笑顔で幸せな気持ちになれるんです。だから、遥ちゃんがヒロインで本当によかったなって。

福原 その言葉をそっくりそのままお返ししたいです。そうやって現場に楽しくいられるのは、2人が支えてくれているおかげなので。

-福原さんから見たお二人の印象はいかがでしょうか。

福原 貴司くんと赤楚くんは“まんま”ですよね。生き方は違いますけど、いつも笑顔でいるところとか。「こんなに優しい人いるんだ」というぐらい、本当に優しくて。いつも笑顔で話しかけてくれるので、私自身も現場ですごく支えられています。

-久留美役の山下さんはいかがでしょうか。

福原 久留美ちゃんは、舞ちゃんのことを支えて、背中を押してくれるんですけど、私にとっての美月ちゃんも全く一緒なんです。だから、本当の幼なじみのように思っていて、いろいろお話しできるし、すごく安心できる存在です。放送が始まる直前、美月ちゃんがプレゼントとお手紙をくれたんですけど、私、その手紙を読んで泣いちゃって…。それを今、台本にも挟んでいて、美月ちゃんの存在に支えられていることを改めて実感しています。すごく大切な友だちができました。

-子役の皆さんが演じた幼少期のドラマも好評でしたが、成長した舞、貴司、久留美を演じる上で心掛けていることは?

福原 大人になって変わったように見せたくなくて、(幼少期役の浅田)芭路ちゃんが演じてくださった舞ちゃんをそのままやりたいと思っていました。だから、芭路ちゃんの現場を見学して、癖をまねしてみたり、話すスピードをちょっとゆっくりにしてみたりしています。

赤楚 僕はあまり幼少期の貴司(齋藤絢永)の現場には行けなかったんです。ただ、ちょっとだけリハーサルを見れたので、そのときの大阪弁のイントネーションは多少まねできるかなと思って、細かいところに取り入れたりしています。貴司の持つ柔らかさや優しさは、変わらずにいたいなと思いました。

山下 久留美は、幼少期に比べてだいぶ性格が明るくなりましたよね。実は私、(大野)さきちゃんが演じた幼少期の久留美を見たとき、涙が止まらなかったんです。お母さんがいなくなり、お父ちゃんも仕事を辞めてしまい、それだけで十分つらいはずなのに、学校で孤立しても頑張っている。なんてかっこよくてたくましい子なんだろうと。だから、自分もアルバイトするようになってからは、お父ちゃんを支える気持ちもより強くなっただろうし、この子なら成長する過程でそういう個性も芽生えるだろうなって。そんな力強さを感じたので、大学生になった久留美は、しっかりものを言える強いキャラクターとして演じようと思いました。

-話を伺っていると、撮影開始から半年たった皆さんの仲の良さが伝わってきます。

赤楚 仲良くなれてよかったなと、心から思います。みんな仕事に対してすごく熱心で、純粋に応援してくれたり、支えてくれたりするんですよね。そういうピュアな心には救われます。

福原 うれしい。

山下 実は今、2人のファンみたいになっていて。

福原 ファン?

山下 そう。例えば、「こんなCMに出ます」みたいな2人のネットニュースを見掛けると、絶対に読んじゃうぐらい、情報を追い掛けている感じで。忙しそうだから、(撮影を離れて)東京にいるときも「体大丈夫かな?」とか、心配する面もあるけど、2人の活躍が自分のことのようにうれしくて。

福原 久留美ちゃんの母性が…。

赤楚 母性が出ている(笑)。

山下 2人には絶対、健康で長生きしてほしいし、おじいちゃん、おばあちゃんになっても、老人ホームで仲良く過ごしたい(笑)。

福原・赤楚 あはは…!(笑)

山下 それぐらい3人の健康と健やかさを祈っているよ。

赤楚 約束(笑)。

-クランクインして間もない5月には、3人一緒に五島列島へのロケにも行ったそうですね。

赤楚 行く前から仲良しだったけど、五島に行って超仲良しになったね(笑)。

山下 五島って、夜になると星がすごくきれいで、大阪のスタジオで撮影しているときとは違った解放感があった。違う気持ちで撮影できたからこそ、心がより開けたし、初めてみんなでご飯に行ったり、帰りに夜道を歩きながら…。

赤楚 アイス食べて。

山下 アイス食べながらしゃべったり…。五島にいたのは4日間ぐらいだったけど、そういう一個一個の時間が貴重で、すごく長い間一緒にいたように感じられた。

福原 五島で会うのって、他の場所で会うのとはだいぶ違って、みんなの距離がすごく縮まった感じがする。あの景色や空気、ご飯とか、そういうものでみんなが心を開放してつながれたから、「幼なじみって、こういう空気なのかな?」という3人の空間が出来上がった気がして。五島の方も本当に温かくて、皆さん「おいで、おいで」ってフレンドリーだったし…。

山下 五島牛の焼き肉屋さんに行ったときも、お店の方が優しくいろんなことを教えてくださったり、カードゲームで遊んだり…。修学旅行みたいな感じだった。

赤楚 確かに修学旅行感あったね。

-仲のいい幼なじみの3人ですが、いずれ舞が航空学校に行ったり、それぞれ違う仕事に就いたりして、離れ離れになる時期もあるようですね。

赤楚 でも、幼なじみ3人の空気感は、この先も変わらないんです。僕らが地元に帰って友だちと話をすると学生の頃に戻る感覚と同じで、どれだけ違う環境にいても、会った瞬間に元の3人に戻れるような関係で。

山下 大人になるにつれて関係が薄れていく人もいるけど、この3人はそういうことのない本当の親友なんですよね。しばらく会わない時期があって久々に会ったとき、ちょっと雰囲気が変わって大人になった2人を現場で見たら、「成長した舞と貴司の姿を見られて、久留美ちゃんもうれしいだろうな」と私自身も感じられて。そんなふうに役の気持ちとリンクしているのが、すごくうれしかったです。

福原 3人の絆は、離れていてもつながっていることを、お芝居をしていても感じます。詩の好きな貴司くんが舞ちゃんに短歌を送ってくれたり、久留美ちゃんと電話で恋バナしたり、ちょこちょこいろんな話をしていくんですよね。そういう変わらない部分もあれば、それぞれ違う世界に進んでも、みんなが頑張っているおかげで舞ちゃんも頑張れたり…。そんな幼なじみの3人が、今後どんなお仕事をして、どう成長していくのか、ぜひ見守ってください。

(取材・文/井上健一)

(左から)山下美月、福原遥、赤楚衛二

 

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