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ドラマ「家庭教師のトラコ」福田福多役の中村蒼「僕自身も“トラコの野望や過去の謎”を楽しみに演じています」【インタビュー】

 橋本愛が主演するドラマ「家庭教師のトラコ」が毎週水曜午後10時から、日本テレビ系で放送中。本作は、ドラマ「家政婦のミタ」などのヒット作を生み出してきた脚本・遊川和彦×プロデュース・大平太のコンビが描く新作。橋本が演じる「謎の家庭教師トラコ」が、異なる事情を抱えた3組の母子を成長に導く“個別指導式”ホームドラマだ。トラコを支える東大出身の秘書・福田福多を演じている中村蒼が、撮影現場の様子や役作りについて、トラコの魅力や自身の教育に関するポリシーなども語ってくれた。

福田福多役の中村蒼

-まずは、本作に懸ける意気込みから教えてください。

 脚本の遊川さんとプロデューサーの大平さんとは、14年振りにご一緒させてもらうので、この仕事を続けてきてよかったなと思いました。それと同時に、あれから自分がどう変われたかを毎日試されているような気がして、ほかの現場では味わえないような緊張感を感じています。

-遊川さんの脚本を読んだ感想は?

 遊川節が出ていて、一見、何の話をしているのだろう? これは何につながっていくのだろう? と思っていると、目の前に本質を突きつけられて、ハッとするところがあるので、そこが魅力的だなと思います。

-福田福多役をどのように捉えて演じていますか。

 福多は、一見トラコに振り回されていて、料理や洗濯などの世話を焼いたりしていますが、唯一トラコの過去や野望を知っていて、対等に接している人物でもあります。福多はすごく優しくて、人のために何かをすることに喜びを感じる人間なのですが、それと同時に東大卒のエリート感や切れ者感を出さないといけないので、そのバランスが難しいなと思いながら演じています。

-そんな福多は、中村さん自身に似ているところはありますか。

 自分のためより、人のための方が幸福を感じる性格は、僕も似ているのかなと思います。

-トラコを演じている橋本さんの印象は?

 最初にお会いしたときは19歳で、まだ10代だったのでおとなしいイメージがあったのですが、今回は楽しくお話をされていて、撮影現場に笑い声が響いています。10代の頃から、橋本さんが一つのシーンについて現場で話し合ったりしている姿を見ていたので、よりパワーアップして頼もしい女優さんになられて、またご一緒できるのがうれしいです。

-視聴者の多くが、「トラコの謎」について気になっていると思いますが、福多は“トラコの野望と過去を知る唯一の人物”というキーパーソンですね。

 福多自身は、トラコがどんなことを目的に家庭教師をやっているのかということは分かっているのですが、トラコの本当の姿を知っているかと言われると、そんなことはなくて。トラコを知れば知るほど謎が深まっていきますし、後半に連れて2人の関係性や、なぜ一緒に仕事をするようになったかということも明かされていくので、僕自身も楽しみにしています。トラコはミステリアスで突拍子もないけれど、実は大切なことを教えてくれる、そこからさらに一展開も二展開もあるのが、このドラマの面白いところだなと思います。

-劇中には「メリー・ポピンズ風」「熱血教師風」「妖しい美人教師風」と3種類のコスプレをしたトラコが登場しますが、中村さんが家庭教師として教えてもらうなら、どのタイプがいいですか。

 「妖しい美人教師風」のトラコさんがいいです。あんな妖艶できれいな先生が教えてくれたら、成績が上がるかどうかは不安ですが、授業を受ける側としてはうれしいです(笑)。

-このドラマは、親子の教育について描いていますが、中村さんが、両親から教わって、心に留めていることはありますか。

 僕の父は、子ども服店の自営業をしていたので、小学校の頃は、お店を手伝いにいくと「このごみ袋をごみ捨て場に捨ててきて」とか、「これを片付けて」と言われたりしていたのですが、手伝いが終わってから座ってボーっとしていると、父が寄ってきて「おまえが社会に出たら、一つのことが終わったら、終わったけれど何かありますか? と聞いたり、自分で何かやることを探して率先してやらないといけなくなってくるから、大人になったら考えて行動しなさい」と言われたことをすごく覚えています。

-次の世代のお子さんに伝えたいと思っている、信条はありますか。

 自分が思っている以上に、人の支えがあって今の自分があるということは、子どもたちにも伝えたいです。僕が今の仕事をする上でも、自分が思っている以上に周りの人が動いてくれて、今のこの仕事が決まっているのだと思うので、それを想像する力が大切だなと思いますし、それを知っているのといないのとでは、人に対する感謝の気持ちが違うだろうなと思います。

-最後に、ドラマの見どころをお願いします。

 生きていく上で大切なことを教えてくれるドラマです。親と子に対する考え方や、親が子どもに対してやってほしいと思っていることは、本当に子どものためなのか、それとも自分のためなのか、そういうことも教えてくれますし、いろんな世代の方に届くメッセージが盛り込まれている作品になっています。回を追うごとに明らかになっていくトラコの謎についても、楽しみに見てもらいたいです。

(取材・文・写真/小宮山あきの)

(C)日本テレビ

 ドラマは、毎週水曜よる10時から日本テレビ系で放送中。

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