大野拓朗、「人生は一度きりだから、後悔はしたくない」ハリウッドデビューへの思い【インタビュー】

2022年6月27日 / 08:00

 NHK連続テレビ小説「わろてんか」の舶来屋キース(山村喜助)役、大河ドラマ「西郷どん」の中村半次郎役など、数々のドラマや映画で存在感を発揮してきた大野拓朗。現在は、ハリウッド進出を目指し、日米に拠点を置いて活動を続けている。そんな大野が、甲斐翔真とWキャストで主演する、「Daiwa House Special 音楽劇『クラウディア』Prodeuced by地球ゴージャス」が7月4日から開幕する。岸谷五朗・寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」の中でも、伝説の作品として再演を熱望されてきた本作への意気込み、そして、ハリウッド進出への思いを聞いた。

大野拓朗(スタイリスト:栃木雅広) (C)エンタメOVO

-本作は、岸谷さんの「反戦三部作」の第1作目となる作品で、愛を禁じられ、戦いに明けくれる二つの民族しかいない世界を描いた物語です。最初に脚本を読んだ時、どんな感想を抱きましたか。

 演劇的で芸術的で、とても美しい、きれいな作品だと感じました。美しい言葉たちに彩られた、個性が立っているキャラクターたち全員のエネルギーがお客さまに真っすぐにぶつかるような感覚でした。

-大野さんが演じる細亜羅(ジアラ)という役は、これまでの公演では寺脇さんが演じてきた役になります。今、現在はどのように演じたいと考えていますか。

 真っすぐで、熱く純粋な男で、だからこそ剣もただただ一生懸命練習している。それは、人を斬るためじゃなくて、ただ強くなりたいからなんだという、細亜羅の思いを役に反映させていければと思います。寺脇さんが演じていらした当時の年齢よりも、僕は若い年齢でやらせていただくので、風格を出すためにもどっしりと構えた芝居をしなければ説得力が出ないと思います。風格のある人物になるよう、そこも意識したいです。

-ダンスも歌も殺陣もある、見どころの満載の作品ですが、舞台で殺陣を披露するのは初めてですか。

 そうですね。映像作品では、「西郷どん」で“人斬り半次郎”という、幕末から明治維新にかけての最強の剣士という役どころを演じさせていただいたり、映画・ドラマ「猫忍」では忍者の主人公役で刀を使った殺陣をやらせていただきました。ですが、舞台ではこれまでやったことがなかったので、楽しみでもあり、緊張もあります。舞台はやはり生ものなので、一挙手一投足まで、ありのままの姿をお客さまにお見せすることになるので、剣豪としての説得力を出せるように、立ち居振る舞いから作り上げていきたいです。

-本作は、桑田佳祐さんが書き下ろした「FRIENDS」をはじめ、サザンオールスターズの数々の楽曲が劇中で歌われるのも見どころの一つです。

 やっぱりサザンオールスターズさんの曲たちは、日本人のDNAに刻み込まれていますよね。大変失礼な話ですが、「クラウディア」の劇中歌で何曲か僕の知らなかった楽曲もあったのですが、今回、初めて聞いたときに鳥肌が立ちました。全部の曲をどんどん好きになっていく。不思議なことに、自然と気持ちが乗ってしまうんです。本当にDNAに組み込まれていると感じています。まさにレジェンド。名曲ばかりです。ぜひ、お客さまにもサザンの楽曲とともに楽しんでいただければと思います。

-ところで、大野さんは俳優として活躍を続ける中、2019年にニューヨークに留学を果たしました。現在、「ハリウッド進出」を目標と掲げていますが、留学時からその夢を持っていたのですか。

 はい、最初からそのつもりで、まずは語学の勉強をと思い、ニューヨークに行きました。実は、それまで英会話を習ったことがなかったんです。ですが、僕はハリウッドに挑戦するに当たって、アメリカの文化と言語をしっかりと自分の中に入れ込んだ上で芝居をしたかった。アメリカの文化も知らない日本人が片言の英語で芝居をするのはリアルじゃないですよね。なので、まず第一歩目として留学に行こうと。それで、どこに行こうか考えたときに、ニューヨークなら車を使わなくても生活できますし、ブロードウェーや美術館にも足を運べると思い、長期滞在を予定して向かいました。そんな折にコロナ禍になってしまい、満喫はできませんでしたが。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

宮藤官九郎「人間らしく生きる、それだけでいいんじゃないか」 渡辺大知「ドラマに出てくる人たち、みんなを好きになってもらえたら」 ドラマ「季節のない街」【インタビュー】

ドラマ2024年4月26日

 宮藤官九郎が企画・監督・脚本を手掛けたドラマ「季節のない街」が、毎週金曜深夜24時42分からテレ東系で放送中だ。本作は、山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる“街”を12年前に起きた災害を経て建てられた仮設住宅のある“街”へと置き換え … 続きを読む

【週末映画コラム】全く予測がつかない展開を見せる『悪は存在しない』/“反面教師映画”『ゴジラ×コング 新たなる帝国』

映画2024年4月26日

『悪は存在しない』(4月26日公開)  自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からもそう遠くないため移住者が増加し、緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧(大美賀均)は、娘の花(西川玲)と共に自然のサイクルに合わせたつつましい生活 … 続きを読む

志田音々「仮面ライダーギーツ」から『THE 仮面ライダー展』埼玉スペシャルアンバサダーに「埼玉県出身者として誇りに思います」【インタビュー】

イベント2024年4月25日

 埼玉県所沢市の「ところざわサクラタウン」内「角川武蔵野ミュージアム」3Fの EJアニメミュージアムで、半世紀を超える「仮面ライダー」の魅力と歴史を紹介する展覧会『THE 仮面ライダー展』が開催中だ。その埼玉スペシャルアンバサダーを務めるの … 続きを読む

岩田剛典 花岡の謝罪は「すべてが集約された大事なシーン」初の朝ドラで主人公・寅子の同級生・花岡悟を熱演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

ドラマ2024年4月25日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。明律大学女子部を卒業した主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)は、同級生たちと共に法学部へ進学。男子学生と一緒に法律を学び始めた。そんな寅子の前に現れたのが、同級生の花岡悟だ。これから寅子と関わっていく … 続きを読む

瀬戸利樹、セラピスト役は「マッチョな体も見どころ」 役作りは「実際に施術を見学して、レクチャーを受けました」

ドラマ2024年4月24日

 現在放送中のドラマ「買われた男」で主演を務める瀬戸利樹が取材に応じ、本作の魅力や役作りについて語った。  本作は、三並央実氏と芹沢由紀子氏による漫画『買われた男~女性限定快感セラピスト~』が原作。セックスレスの主婦、芸能人、女社長、風俗嬢 … 続きを読む

Willfriends

page top