X


【インタビュー】NHKパラスポーツ×特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」奥野壮「撮影前の1カ月間は、車いすで生活をしました」

 奥野壮が主演する特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」が、6月26日(土)午後6時5分からNHK総合テレビで放送スタート。本作は、パラスポーツと本格特撮が合体した前代未聞のドラマ。奥野が演じる、車いす陸上のトップアスリートを目指す高校生の主人公・森宮大志が、仲間が作るサポート・ギアを駆使してスーパーヒーロー“ガンディーン”に変身し、侵略者から地球を守る物語。本作で“車いすアクション”で戦う変身ヒーローに挑戦した奥野に、撮影に臨んだ感想や見どころなどを聞いた。

「超速パラヒーロー ガンディーン」奥野壮

-奥野さんが演じる森宮大志役は、オーディションで選ばれたと聞きました。オーディションを受けて合格したときの率直な気持ちを教えてください。

 パラスポーツと特撮が合体したドラマを作ると聞いたときに、斬新で面白い。絶対にやりたいと思いました。絶対に僕を使ってほしいという思いでオーディションに臨んだので、合格のお知らせを聞いたときは、めちゃくちゃうれしかったですし、頑張ろうという気持ちになりました。

-役作りをする上で、日常生活で使う車いすや、パラ陸上の競技用の特殊な車いすの練習をされたそうですが、車いすを使用した感想は?

 撮影に入る前の1カ月間は、ずっと家の中で車いすで生活をしていました。僕は今、兄と一緒に住んでいるのですが、高い所にある物が取れなかったり、トイレに座るとき車いすから乗り換えをするのが難しくて、兄の手を借りることが多かったです。家の近辺を散歩したときは、緩やかな登り坂でも本当にきつくて、一生懸命フルマックスでこいでも、ゆっくりと進んでいく感じなので、坂道はしんどいなと思いました。

-競技用の車いすの訓練は、どのぐらいの期間、どのようなことをしたのでしょうか。

 撮影の1カ月前から、週に数日2時間ぐらい、現役の選手たちと一緒にスタートの練習や、コーナーを曲がる練習を何度もしました。競技用の車いすは、日常用とは全く違っていて、スピードが出るので怖いですし、スピードに乗っている中で、どれだけ減速せずにコーナーを曲がるかなど、実際にやってみないと分からない難しさがありました。

-訓練は大変でしたか。

 めちゃくちゃ大変でした。僕がトラックを1周するだけでゼーハー言っているのに対して、現役の選手の方は、1日にこれを50周すると話していたので、その膨大な差に驚がくしましたし、改めてアスリートはすごいなと思いました。

-役柄を演じる際に、特に意識したことはありますか。

 車いすで生活をしている役なので、常に足が動かないようにすることと、高校生の役なのでピュアな心で真っすぐに世界を見るというのを、頭の片隅に置きながら演じました。

-森宮くんは明るくポジティブで、宇宙飛行士になりたいという大きな夢も抱いていますが、森宮くんというキャラクターの印象や、奥野さん自身と重なる部分があれば教えてください。

 森宮くんには、強い精神力を感じました。僕は結構ネガティブな人間なので、彼のように強い心や、明るくてポジティブな面を持っていないのですが、夢に対して真っすぐなところは似ているかなと思います。僕はお芝居に対して真っすぐな心で向き合っていますし、仕事をする上で、そういう心は持っていたいなと思います。

-奥野さんは「仮面ライダージオウ」が俳優デビュー作ですが、特撮の経験が今回の撮影時にも生かされましたか。

 はい、生かせたと思います。デビュー作で仮面ライダー役を1年半ぐらい経験したので、怪獣が現われたときのリアクションだったり、ぶつかったときや驚いたときのアクションだったり、特撮ならではの動きは仮面ライダーをやっていたからこそ、スムーズにできたのかなと思います。

-小芝風花さんがコーチ役で出演していますが、小芝さんと共演した印象は?

 小芝さんは、関西出身ということもあって、とても気さくで明るくて、いい意味で気を使わなくていい方だなと思いました。撮影現場に小芝さんが入るだけで、その場がふわっと明るくなるような、人としての魅力がたくさん詰まっている方だなと思います。

-父親役のつるの剛士さんとは、撮影の合間にどのような話をしましたか。

 つるのさんが最近ハマッていることや、過去に演じられた「ウルトラマン」の話をたくさんしてくださいました。つるのさんのプライベートのほっこりする話も聞かせていただきました。

-「仮面ライダー」に続き、特撮ヒーロードラマの主人公を演じてみて、改めてヒーローの魅力をどのように感じましたか。

 やっぱりヒーローはカッコいいなと思いました。変身した姿もカッコいいですし、その人が内に秘めている、人の心を動かすような真っすぐで強い心が映像を通じて見られるので、子どもから大人まで、どの世代の人が見ても、カッコいいなあ、なりたいなあと思ってもらえるような人が、魅力的なヒーローだなと感じました。

-最後に、本作の見どころをお願いします。

 青春ドラマとしても楽しめますし、パラスポーツのレースや特撮のシーンは本当に面白いので、幾つもの魅力が集まっているドラマだなと思います。

(取材・文/小宮山あきの)

「超速パラヒーロー ガンディーン」奥野壮

 ドラマは、6月26日、7月3日、7月10日、毎週土曜日午後6時5分~6時43分 NHK総合テレビで放送(全3話)。  

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

玉置玲央「柄本佑くんのおかげで、幸せな気持ちで道兼の最期を迎えられました」強烈な印象を残した藤原道兼役【「光る君へ」インタビュー】

ドラマ2024年5月5日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。5月5日放送の第十八回で、主人公まひろ/紫式部(吉高由里子)にとっては母の仇に当たる藤原道長(柄本佑)の兄・藤原道兼が壮絶な最期を迎えた。衝撃の第一回から物語の原動力のひとつとなり、視聴者に強烈 … 続きを読む

「光る君へ」第十七回「うつろい」朝廷内の権力闘争の傍らで描かれるまひろの成長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年5月4日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。4月28日に放送された第十七回「うつろい」では、藤原道長(柄本佑)の兄である関白・藤原道隆(井浦新)の最期が描かれた。病で死期を悟った道隆が、嫡男・伊周(三浦翔平)の将来を案じて一条天皇(塩野瑛 … 続きを読む

妻夫木聡「家族のために生きているんだなと思う」 渡辺謙「日々の瞬間の積み重ねが人生になっていく」 北川悦吏子脚本ドラマ「生きとし生けるもの」【インタビュー】

ドラマ2024年5月3日

 妻夫木聡と渡辺謙が主演するテレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」が5月6日に放送される。北川悦吏子氏が脚本を担当した本作は、人生に悩む医者と余命宣告された患者の2人が「人は何のために生き、何を残すのか」という … 続きを読む

城田優、日本から世界へ「日本っていいなと誇らしく思えるショーを作り上げたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年5月3日

 城田優がプロデュースするエンターテインメントショー「TOKYO~the city of music and love~」が5月14日から開幕する。本公演は、東京の魅力をショーという形で世界に発信するために立ち上がったプロジェクト。城田が実 … 続きを読む

【週末映画コラム】台湾関連のラブストーリーを2本『青春18×2 君へと続く道』/『赤い糸 輪廻のひみつ』

映画2024年5月3日

『青春18×2 君へと続く道』(5月3日公開)  18年前の台湾。高校3年生のジミー(シュー・グァンハン)は、アルバイト先のカラオケ店で4歳年上の日本人バックパッカーのアミ(清原果耶)と出会い、天真らんまんでだがどこかミステリアスな彼女に恋 … 続きを読む