【インタビュー】『ミッドナイトスワン』草なぎ剛 「こういう時期だからこそ、公開することに意味がある作品になった」

2020年9月18日 / 16:33

-この作品ではバレエが凪沙と一果の心をつなぎ、それにより荒んでいた凪沙の生活も潤いを取り戻していきます。コロナ禍の現在を含め、「芸術やエンターテインメントは、人が生きる上で必要なのか」としばしば議論になりますが、この物語は一つの答えを示しているように思います。そういう意味で、この作品を通して芸術やエンターテインメントの意義について考えることはありましたか。

 コロナ禍で世の中が次々と自粛の流れになり、世界的にもライブや公演が中止になっています。実際、僕も舞台が中止になりました。もちろん、人の命が一番大事で、それを脅かすようなことは控えなければいけません。とはいえ、ずっと家にこもっているわけにはいかないし、ずっと何も見ないわけにもいかない。そんなことを考えていたら、エンターテインメントの大切さに、改めて気付かされました。生きるためのエネルギーになるし、やっぱり大切なものだな…と。

-おっしゃる通りですね。

 そういう仕事に自分が携われていることが、すごくうれしい。今まで当たり前のようにできたライブや舞台が、こんなに大切なものだった。こんなことがないと、そういうことに気付かなかったかもしれません。だからこの経験を生かして、エンターテインメントに関わる全ての人が、「自分たちは本当にすてきなことをしているんだ」と改めて気付くことで、さらにいい作品が生まれるんじゃないか…。そんなふうに期待しています。そうじゃないと、つまらないですよね。

-まさにそういうことを象徴している映画だと思いました。

 ありがとうございます。コロナ禍とは関係なく作った映画ですが、こういう時期だからこそ、公開することに意味がある作品になったと思います。ぜひ、みんなに見てもらって、元気になってくれたらいいですね。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2020「MIDNIGHT SWAN」FILM PARTNERS

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】4月前半公開の映画から『俺たちのアナコンダ』『ハムネット』『1975年のケルン・コンサート』

映画2026年4月16日

『ハムネット』(4月10日公開)  16世紀イングランドの小さな村。薬草の知識を持ち不思議な力を宿したアグネス(ジェシー・バックリー)は、ウィリアム・シェークスピア(ポール・メスカル)と知り合い、結婚する。  やがてウィリアムは作家となり、 … 続きを読む

風間俊介「人生の中で特別な時間が刻まれる」 鴻上尚史の代表作「トランス」に挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月15日

 風間俊介、岡本玲、伊礼彼方が出演する、KOKAMI@network vol.22「トランス」が4月28日から上演される。1993年に初演された本作は、3人の登場人物たちによる妄想と現実が入り乱れた物語。鴻上尚史の代表作のひとつである本作を … 続きを読む

浜辺美波「池松壮亮さんから様々な刺激をいただいています」大河ドラマ初出演で豊臣秀吉の妻・寧々を好演【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年4月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 夜8:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄の秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中だ。本 … 続きを読む

佐野晶哉「祖母が泣いて喜んでくれました」 連続テレビ小説初出演への意気込み【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年4月11日

  -シマケンが「良き相談相手」となるりんとの関係について教えてください。  シマケンとりんの2人のシーンには、独特の空気感が漂っています。りんの家族や親友の槇村太一(林裕太)が一緒のシーンはテンポよく進むのに、りんと2人きりになると、お互 … 続きを読む

早乙女太一「“劇団朱雀”という新たなジャンルを作るような気持ちで」早乙女友貴「お祭りを楽しむような感覚で」豪華ゲストと共に3年ぶりの公演に挑む 劇団朱雀「OMIAKASHI」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年4月9日

-お話からは劇団朱雀が常に進化を続けている様子が窺えますが、大衆演劇の伝統を大切にしつつ新しい演目を作り上げていく上で、心掛けていることはなんでしょうか。 太一 僕が舞台を作る上で最も大切にしているのが、その点です。当初は、「これを変えてし … 続きを読む

page top