【インタビュー】映画『初恋』小西桜子 窪田正孝ら豪華キャスト出演作のヒロインに大抜てき「皆さんのお名前を知ったときは、びっくりして腰を抜かしました(笑)」

2020年2月27日 / 12:00

 話題作を続々と手掛ける名手・三池崇史監督の下、豪華キャストが集結した痛快エンターテインメント『初恋』が2月28日から全国ロードショーとなる。本作で、やくざ同士の抗争に巻き込まれ、主人公・葛城レオ(窪田正孝)と共に逃避行を繰り広げるヒロイン、モニカ役に大抜てきされたのが、小西桜子。これが映画出演2作目の新人ながら、劇中では内野聖陽、大森南朋といった名優たちに劣らぬ存在感を発揮している。今年は本作の他、『ファンシー』(公開中)、『映像研には手を出すな!』(ドラマ4月放映/映画5月15日公開)など出演作が続々と公開され、注目必至の逸材だ。そんな小西に撮影の舞台裏、女優業に対する意気込みなどを聞いた。

小西桜子(ヘアメイク 松田陵(Y’s C)/スタイリスト 倉田強)

-オーディションを経て出演が決まったときのお気持ちは?

 まさか決まるとは思っていませんでした。半信半疑で「これからどうなるんだろう…?」と思うのと同時に、うれしさやいろんな感情が湧き上がってきて、「うわーっ!」となりました(笑)。ただ、そのときは、まだ他の出演者の方々のことは聞いていなかったんです。だから、しばらくして皆さんのお名前を知ったときは、本当にびっくりして腰を抜かしました(笑)。

-モニカはPTSDによって幻覚に苦しむという難しい役ですが、演じてみた感想は?

 やはり、難しかったです。いろいろな作品を見たりして事前に知識は入れていましたが、「どう演じるか」までを考える余裕はありませんでした。その上、今までほとんどお芝居をしたことがなかったので…。でも、「考えてもどうにもならない」と思って、まっさらな状態で三池監督から演出指導を受けました。その上で、自分なりにモニカと重なるところを見つけて、表現するようにしました。

-三池監督の演出はどんなふうに?

 三池監督は、お芝居の経験がない私を尊重してくださって、「素直にモニカとして、感情が動くままにやればいいよ」と言ってくださいました。シーンごとに「こういうふうに動いてみて」と、演技指導をしていただくことはありましたが、お芝居の軸としては、ありのままの私で演じさせてくださったと思います。

-モニカが幻覚を見ているときの目が、真に迫っていて圧倒されました。演じる上では、どんなことを意識しましたか。

 撮影中はとにかく必死だったので、あまり覚えていないんです。ただ、毎回「このシーンが最後だ」という気持ちで演じていました。三池監督にも言われていたことですが、ものすごく大きな映画だし、この映画は私にかかっている…という緊張感が役とずっとリンクしていたので、空き時間も気を抜かず、お芝居がつながるようにずっと緊迫感を保っていました。いい意味で追い込まれながらやったことで、あの演技につながったんじゃないかと思います。

-劇中では、新人とは思えない堂々とした存在感を発揮していますが、プレッシャーには強い方でしょうか。

 強い方かもしれません。プレッシャーがあっても、「自分がさらに成長できる」と思えば、ワクワクしてくる方です。負けず嫌いなところもありますし、「緊張した」とは言っても、実際はうれしさや、やる気の方が勝っていました。

-そういうところが、大変な撮影を乗り越えるバネになったと?

 それはあるかもしれません。毎シーン、毎シーン、「うまくいかなかったな…」と落ち込みながらも、毎日帰りに「明日こそは頑張ろう!」と、自分で自分を奮い立たせながらやっていましたから…。おかげで、精神的にもだいぶ強くなりました(笑)。

-レオ役の窪田正孝さんとは『ファンシー』から2作続けての共演となりますが、印象は?

 この作品が決まったとき、最初はすごく不安だったんです。でも、窪田さんが一緒だと知って安心しました。『ファンシー』のときから、すごく優しくて、面白い方だと思っていたので、またご一緒できると分かって、うれしかったです。レオとモニカは、心を通わせていく関係ということで、前回より距離感も近く、現場で一緒にいることが多かったので、合間にいろんな話をしていました。

-これが映画出演2作目とのことですが、女優を志した経緯を教えてください。

 もともと、映画が好きで、大学でも映画の勉強をしていたんです。でも、見るのが好きなだけで、初めは出演する側に回りたいという気持ちはありませんでした。でも、ちょうどその頃、先輩が監督する自主映画に出ることになったんです。その現場で、すごく楽しんで映画を作っている様子を見たことと、完成した映画を見た友だちからいい感想をもらえたことがうれしくて…。そこから、「女優になりたい」と思うようになりました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】新旧監督の話題作が並んで公開に『TOKYOタクシー』『金髪』

映画2025年11月22日

『TOKYOタクシー』(11月21日公開)  タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子)を東京の柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで乗せることになった。  すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたい … 続きを読む

中川晃教「憧れることが原動力」 ミュージカル「サムシング・ロッテン!」で7年ぶりにニック役に挑戦【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月22日

 数々のミュージカル作品へのオマージュが登場するコメディーミュージカル「サムシング・ロッテン!」が12月19日から上演される。2015年にブロードウェイで初演された本作は、「コーラスライン」、「アニー」、「レ・ミゼラブル」などの人気ミュージ … 続きを読む

岩田剛典、白鳥玉季「全編を通してくすっと笑えるコメディー映画になっていますので、気楽な気持ちで映画館に来ていただきたいです」『金髪』【インタビュー】

映画2025年11月21日

 日本独特のおかしな校則、ブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道といった社会問題を背景に、大人になりきれない中学校教諭が、生徒たちの金髪デモに振り回されながら成長していく姿を、坂下雄一郎監督がシニカルな視点で描いた『金髪』が全国公開 … 続きを読む

加藤清史郎&渡邉蒼「僕たちも今、夜神月に巻き込まれている」 子役出身の二人が挑む「デスノート THE MUSICAL」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月21日

 映画やドラマ、アニメなど幅広いメディア展開を遂げてきた人気漫画「DEATH NOTE」のミュージカル版「デスノート THE MUSICAL」が11月24日から上演される。2015年に日本で世界初演された本作は、原作のスリリングな物語を世界 … 続きを読む

なにわ男子・大西流星「“timeleszのお兄さん”な原くんは印象通り」 timelesz・原嘉孝「流星は優しくてしっかりしてる子」 1月期ドラマでW主演【インタビュー】

ドラマ2025年11月20日

 なにわ男子・大西流星と、timelesz・原嘉孝がW主演する「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 横浜ネイバーズ Season1」が、2026年1月から放送がスタートする。  本作は、令和版『池袋ウエストゲートパーク』として注目を … 続きを読む

Willfriends

page top