【インタビュー】『影に抱かれて眠れ』中村ゆり「物質的な豊かさよりも、人としての尊厳を大事にする主人公の生き方がカッコいい」

2019年9月25日 / 18:44

-そういうお話を伺うと、中村さんが以前出演した『パッチギ! LOVE&PEACE』(07)を思い出します。

 井筒(和幸/『パッチギ!LOVE&PEACE』の監督)さんに出会ったのも、すごく大きいですね。一見、横柄に見える方ですが、実は社会に対する目線がすごく優しい。だから、いつまでもああやって突っ張って生きているんでしょうし…。私が女優を始めて本当によかったと思うのは、人生の先輩として、尊敬できる方にたくさん出会えたことです。是枝(裕和)監督もその一人。ドキュメンタリー映画の感想を話し合ったりすると、とても勉強になります。

-そのスタンスは、この作品の冬樹にも通じるものがありますね。

 そうですね。冬さんの生き方がカッコいいのは、物質的な豊かさよりも、もっと深い、人としての尊厳を大事にしているところ。だから、ああいう裏社会のようなところにいても、きれいなままでいられるんでしょうね。

-そこも、この作品の魅力ですね。

 いい意味で懐かしいですよね。昔の文豪なども、ちょっと破滅的なところがありますし、そういう人たちに通じる部分もあるな…と。でも、みんな人としての尊厳は持っている。今は合理的に生きようとする人が多いですけど、「こういう生きざまもあるんだよ」ということを、若い人たちにも知ってもらいたいですね。

(取材・文・写真/井上健一)

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