【インタビュー】『クリード 炎の宿敵』具志堅用高「僕もロッキーのようなトレーナーになりたい」

2019年5月6日 / 10:00

-プロの目から見て、「ロッキー」シリーズの試合のシーンはどのように映りますか。

 会場も、レフリーも、リングアナもみんな本物ですよね。だから本当の世界戦のような感じがします。試合のシーンはやっぱりヘビー級だし、多分カメラマンがリングに上がって至近距離から撮っているから迫力がある。それからパンチの角度や音も半端ではない。それが徹底している。だから面白いし、感動もする。僕らのような軽量級の試合ではあの迫力は出ないです。あのフックやボディーなんて…、普通素人にはあんなパンチは打てませんよ。昔の試合はグローブが小さかったから、上に向かってパンチを打つことが多かったけど、今は軽量級でもボディーを狙ってダウンさせようとする。この映画でもボディーを打つ場面が多かったでしょ。それでクリードの肋骨(ろっこつ)にひびが入ったりして…。あれは今のスタイルに合わせているんです。僕らの頃は、ボディーで試合が終わることはあまりなかったから、この映画はそういう変化をちゃんと描いています。それから今のボクシングは、お客さんに見せるというショービジネスの要素が強いですね。

-現役時代に、この映画のような、ライバルと呼べる人はいましたか。

 選手の中には特にいなかったです。怖いのはむしろ友だちでした。有名になると誘いも多くなるし、いろいろな人が周りに集まってきました。それで足を引っ張られる(笑)。遊ぶのは楽しいから。だから試合が決まったら、電話も取らないようにして、なるべく家から出ないようにしました。そういう意味では、自分自身がライバルなのかな。実は、試合の前は怖くなるから、本当は友だちに慰めてもらいたくて、会いたくなるんです。でも今の若い子は、それを我慢できない。孤独になれない。だから家族と一緒にいるのが一番いいのかな。我慢して頑張ればそれだけチャンスも広がるんだけどね。

-では、最後にこの映画の見どころをお願いします。

 この映画は、リング上でのボクシングの戦いを中心に描いているけれど、家族など、リング外での戦いも描いています。だから僕たちの人生にも共通するところがたくさん出てくる。家族も、勝つことも大事。昔ロッキーから学んで、それが今また違った形で見られることが素晴らしい。今の僕はボクシング以外に、タレントの仕事で全国を回ったりもしているけれど、一生懸命やるのは全部同じ。ロッキーの精神に通じています。

(取材・文・写真/田中雄二)

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