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【インタビュー】「西郷どん」ほか 堀井新太「新八は“弟キャラ”なのでかわいい感じも少し入れています」

 公開中の映画『ドルメンX』でイケメン宇宙人を演じる一方、大河ドラマ「西郷どん」では、主人公・西郷隆盛(鈴木亮平)や大久保利通(瑛太)の弟分にあたる村田新八を演じている堀井新太。明治維新に向かって、今後ますます出番が増える新八役への思いや、見どころなどを聞いた。

撮影・Tominaga Tomoko

-公開中の映画『ドルメンX』ではイケメン宇宙人を演じていますね。

 宇宙人が地球を侵略するためにアイドルになるというお話で、おかしな設定だけど、これをリアルに再現したら面白いんじゃないかなと思いました。演じていてとても楽しかったです。同年代の人と一緒にお芝居して、監督さんも若い方だったので、アドリブを入れたりしながら自由に演じることができました。現場では笑いが絶えない感じでした。

-『ドルメンX』では、同じくD-BOYSの志尊淳さんとも共演していますが、D-BOYSのメンバーはライバルという感じなのでしょうか。

 同世代として、これからお互いに俳優として頑張っていこうという仲間です。僕にとってD-BOYSはなくてはならないものです。互いに自分が出ている作品の話をしたり、違う現場の話をしたりして、意識を高め合っています。とはいえ、心の中では「あいつ、いい作品に出ているなあ」と嫉妬をするときもありますが(笑)。互いに刺激し合えるような、いい関係が築けていると思います。

-大河ドラマ「西郷どん」で演じている、村田新八についてはどう感じていますか。

 西郷(隆盛)さんのことを常に愛していて、日本の未来のために自分ができることを常に考えていた人だと思います。だからこそ、西郷さんと大久保(利通)さんの両方から気に入られたのかなと。新八の幼少期から演じていますが、衣装は野良着からはかまになり、所作も変わって、一目で新八の成長過程が分かるので、演じていて面白いです。

-演じるに当たって、新八や薩摩のことを調べたりはしましたか。

 もちろんです。撮影に入る前に鹿児島に行って薩摩ことばを学んだり、新八のお墓や、彼が亡くなった城山、博物館など、鹿児島でしか見られない場所を訪ねてきました。鹿児島の風土や雰囲気を肌で感じることによって、より役に入っていける気がしました。

-西郷役の鈴木亮平さんや大久保役の瑛太さんの印象は? 

 いろいろと気に掛けてくれる優しいお兄さんという感じです。亮平さんとは一緒にジムに行ったり、栄養補給だといってバナナをくれたり…。瑛太さんからは私服をたくさん頂きました。役の上でも、二人は新八のことをかわいい弟のように思っているので、すごくリンクしている気がします。それを狙ってプロデューサーさんが新八役にしてくれたのかもしれませんが(笑)。

-演じながら新八役への思いは強くなりましたか。

 一つの役を1年以上演じることはほとんどないので、得るものはとても多いです。薩摩ことばも初めてでしたし、所作を分かりませんでしたが、長く演じてくるとだんだんとその意味が分かってきます。そういうことを新八役を通して学ぶことができました。また、先に撮影が終わってしまった人を見送って、寂しさを感じたときに、もっと大切にこの役を演じなければと改めて思います。あとは、大河ドラマは反響がすごいです。鹿児島にもたくさんの知り合いができました。そういう人たちに喜んでもらえるような村田新八を作り上げていきたいと思います。新八は“弟キャラ”なのでかわいい感じも少し入れています。

-では、今後の「西郷どん」の見どころを。

 新八が西郷さんの横にずっといるようになります。一皮も二皮もむけて、どんどん変わっていく西郷さん陣営の様子は、見ていてとても面白いと思います。芝居も、雰囲気も、所作も、衣装も、どんどん変わっていきますから。でも、大人になったときに、ふと幼少期の癖が出たりするところも面白いです。

-最後に、俳優としての今後の目標を教えてください。

 見ている人が「えっそうなの」と驚くような、先が読めない、意外性のある役を演じたいです。それから、演じた役名で呼ばれるような俳優になりたいです。それは、その役が印象的でみんなの記憶に残っているということですし、それにつれて自然に本名も覚えてもらえるようになると思うので。

(取材・文/田中雄二)

村田新八役の堀井新太

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