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【2.5次元インタビュー】須賀健太が語る2.5Dの魅力「特殊な世界観」と「高いエンターテインメント性」

 3歳で子役としてデビュー以来、現在まで映画やドラマ、そして舞台の第一線で活躍し続けている須賀健太。2.5D(2.5次元ミュージカルの略)作品では、現在上演中のハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“はじまりの巨人”の主役・日向翔陽役でも知られる。日本2.5次元ミュージカル協会の2018年度の「2.5Dアンバサダー」にも就任した須賀に、2.5次元ミュージカルの魅力を聞いた。

2018年度の「2.5Dアンバサダー」に就任した須賀健太

-アンバサダーに就任された率直なお気持ちは?

 最初は、僕でいいんだろうかって思いました。2.5D作品は年々、すごい勢いで増えていて、2.5Dに特化した役者さんも多くいらっしゃいます。普通に考えれば、そういう方がアンバサダーを務めた方がファンの方も喜ぶんじゃないかと思ったんですが、広く一般の方に知っていただくきっかけ、という意味では、少しは力になれるのかなと思っています。

-須賀さんは、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」(15)の我愛羅役で、初めて2.5D作品に出演されました。オリジナルキャラの舞台や映画と、2.5D作品ではどんな違いがあると感じられましたか。

 僕にとっては、原作があるかないかだけのことです。ある種、教科書が1冊多いというだけの感覚。ただ2.5Dでは、どれだけそのキャラクターに寄せられるかが大切だということがすごく特徴的だとは思います。そこに特化しているのはすごいと思いましたし、戸惑ったり、難しかったりした部分でもありました。

-我愛羅はかなり個性的なキャラクターでもありますしね。

 そうですね。でも、自分では似ているなと思ってたんですよ、おでこの感じとか(笑)。もともと、原作も大好きで、好きなキャラクターだったので、演じられると決まったときはうれしかったですし、それと同時にファン心理というものもよく分かりました。だからこそ、汚してはいけないという緊張感は最初からすごくありました。

-その後、2.5D作品では、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」シリーズで主演を務めていらっしゃいます。現在、シリーズ6作目が上演中です。須賀さんにとって、演劇「ハイキュー!!」はどのような作品ですか。

 今は、ライフワーク的な作品です。3年間、しかも半年に1本という舞台としては相当早いペースで上演しているので、1年中、演劇「ハイキュー!!」が基盤となっている生活をしてきています。舞台に関していえば、間違いなく僕の代表作だと思います。

-シリーズを重ねることで、役柄への解釈も深まっていますか。

 そうですね。携わらせていただく前から、原作が大好きだったので、僕が演じる日向の魅力は知っているつもりでいました。原作の中で、日向はさまざまな面で成長していくのですが、その成長を演じられるのは、僕が3年間演じ続けているからだと思っています。1作ずつ、ちょっとずつちょっとずつ勇ましく、たくましくなっていっているというのはシリーズを通して意識して演じています。

-2.5D作品は、役者としてどんなところに魅力を感じますか。

 作品の持つ世界観が魅力です。映画で同じものを表現しようと思ったら、ものすごい規模が必要で、何十億円もかかる。でも、これは、2.5Dに限らず、演劇全てに言えることですが、舞台だったら、お客さまの想像力に委ねながら、いろいろな形で表現できます。2.5Dは、よりその特徴が強く出ているんだと思います。やっぱり、特殊な世界観というのは演じている側も楽しいです。それに、劇中でキャラクター紹介があったり、キャラクターを大事にした演出があるのは2.5Dならではで楽しいです。

-2.5Dは、他の演劇作品と比べても、よりエンターテインメント性が高い作品が多いですよね。

 そうなんです、それは本当に魅力だと思います。何も考えないで楽しめるというのは、相当な強みだと思うんです。僕は、舞台を見て、毎回、何かを受け取って帰ってもらう必要はないと考えているんです。ただ単に、かっこよかったね、楽しかったね、でいいと思うし、むしろそうであってほしい。2.5Dは笑顔で帰ってもらえる作品が多いですし、エンターテインメントとの相性がすごくいい。それは武器だと思います。

-最近は、2.5D作品の海外公演も増えています。

 僕自身、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」でマカオ、マレーシア、シンガポールで公演をやらせていただきました。日本では、静かに見るというのが演劇のルールとして根づいていますが、海外ではそういうのはあまりなくて、好きなキャラクターが出てくると歓声が起こるんです。新鮮で、楽しかったです。役者も含め、作る側も海外公演をすることで、また違った可能性に気づくことができるので、いい挑戦だと思います。

-須賀さんご自身も、機会があったらまた海外公演に出演したいですか。

 行きたいですよ! パリとか超行きたい! ミュージカル『刀剣乱舞』はパリ公演(7月15日に「ジャポニスム2018」公式企画として上演が決定)があるらしいんですが、僕もパリ公演とか、超やりたいです!

-期待しています。では、今後、アンバサダーとしてどんな活動をしていきたいですか。

 まだあまり知らない方に見ていただくためには、一つの作品だけを紹介するのではなく、たくさんの作品があるということを提示したらいいんじゃないかと僕は思います。そのためにも発信することが大切になると思うので、いろいろな形で伝える機会があればいいなと思っています。僕自身も、1本でも多く、2.5D作品を見に行きたいと思っています。

-これまで、観劇した2.5D作品で、印象に残っている作品は?

 ミュージカル『テニスの王子様』ですね。2.5Dで初めて見た作品です。友達の(「2ndシーズン」で越前リョーマ役を務めた)小越勇輝が出演していたんですが、普段の彼からは想像もつかないほど堂々とした姿で舞台に立っていたのが印象的でした。これはやっぱり、原作があり、ビジョンが見えているからこそできることだと思ったし、ワクワクさせることに特化した作品ですごいなと思いました。ストレートプレーなどをやっている人からすると、2.5Dは「あれはショーだから」と見られてしまいがちですが、でも全然そんなことはないんです。かっこいいし、芝居に力を入れているカンパニーもある。作り方も演劇と同じく、いろいろなんです。アンバサダーとして、2.5Dのことを広くお客さまに知ってもらうことももちろんですが、内側にいる、関係者の方たちの意識改革もできたらいいなと思っています。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 須賀健太が出演する、日本2.5次元ミュージカル協会オフィシャル番組「What’s 2.5D?」は毎月25日に動画配信サービス「GYAO!」で無料配信中。

(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“はじまりの巨人”
福岡:2018 年5月18日(金)~20 日(日) 福岡国際会議場 3F メインホール
宮城:2018 年5月25日(金)~27 日(日) 多賀城市民会館 大ホール
大阪:2018 年 6 月1日(金)~3日(日) オリックス劇場
東京凱旋:2018 年6月8日(金)~17日(日) TOKYO DOME CITY HALL

須賀健太 ファースト・トレカ 2018年6月23日発売

2018年6月23日(土)、6月30日(土)発売イベント開催決定!http://www.tic.jp/boys/event/suga/373125196.html

「2.5Dアンバサダー」須賀健太

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