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【日本映画】
邦画界は、今年も『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』『チェンソーマン レゼ篇』『名探偵コナン 隻眼の残像』など、アニメーション作品が興行成績の上位を占めたが、実写映画でも大ヒット作が生まれた。歌舞伎を題材とした『国宝』が邦画実写の歴代興収記録を22年ぶりに塗り替えて、同歴代1位となったほか、地下通路の無限ループで“異変”を見つけながら出口を目指す『8番出口』も大ヒットを記録したのだ。この2作のヒットを支えたのは、「鬼滅の刃」もそうだが、同じ作品を何度も映画館で見るリピーターの存在が大きい。
また、『秒速5センチメートル』『ファーストキス 1ST KISS』『大きな玉ねぎの下で』『リライト』『ストロベリームーン 余命半年の恋』『君の顔では泣けない』『平場の月』『楓』など、初恋の切なさや時を超えた恋愛を主にダブルキャストで描いたファンタジックな作品が多く並ぶ中、純文学を感じさせる『ゆきてかへらぬ』『遠い山なみの光』『星と月は天の穴』などが製作されたのも面白い。
さらに、戦後80年を踏まえて製作された、沖縄を舞台にした『宝島』『木の上の軍隊』、『長崎 閃光の影で』『雪風 YUKIKAZE』など、令和の今から見た戦争や戦後史を描いた作品も、2025年を象徴する。

『国宝』(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会
2025年日本映画ベストテン
1.『国宝』歌舞伎役者として芸道に人生をささげた男
2.『爆弾』俳優同士の演技合戦が見もの
3.『宝島』映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作
4.『旅と日々』懐かしい風情が漂うところが面白い
5.『秒速5センチメートル』初恋の切なさを描いた
6.『新幹線大爆破』50年の時を経て製作された
7.『ゆきてかへらぬ』純文学の香りがする映画
8.『遠い山なみの光』映画は原作を超えたか 純文学風ミステリーの趣
9.『雪の花 ともに在りて』今時代劇が熱い 種痘を広めた医師の物語
10.『TOKYOタクシー』パリから東京へ 見事なリメーク
(田中雄二)