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『Mr.ノボカイン』(6月20日公開)
(C)2025 PARAMOUNT PICTURES.
特異体質のため生まれつきどんな痛みも感じない体を持つネイト(ジャック・クエイド)は、気弱で真面目な銀行員としてごく普通の人生を歩んできた。
だがある日、ひそかに思いを寄せていた同僚のシェリー(アンバー・ミッドサンダー)が銀行強盗の人質にとられてしまう。“戦闘能力ゼロ”のネイトが彼女を助け出すために使える武器は“痛みゼロ”の特殊な体だけ。生まれて初めて無痛の体が役に立つ時がきたが、痛みを感じないというだけで不死身というわけではなく…。
小市民役がよく役が似合うジャック・クエイドはデニス・クエイドとメグ・ライアンの息子。ネイトが立ち向かう強盗サイモンにはジャック・ニコルソンの息子のレイ・ニコルソンが扮(ふん)した。そのほかネイトの親友ロスコー役で「スパイダーマン」シリーズのジェイコブ・バタロンが共演。監督はダン・バーク&ロバート・オルセン。
この映画の見どころは、ネイトのシェリーへのいちずな愛の中に、痛みを感じない体を駆使して愛する人を救う姿を入れ込んだところ。とはいえ、決して強いわけではないからアクションにも一ひねりがあって面白い。
今回は4DXでの試写だったので、映画のシーンに合わせて座席が動いたり、風や水しぶきが上がった。つまりネイトと同じように痛みを伴わない衝撃を味わせようとしたわけだが、落ち着かない感覚を覚えながら、これは痛みに対する想像力を働かせながら見る映画なのだと気付いた。
(田中雄二)